米国30年ゼロクーポン債はダイナミックに面白い。株はやっても債権はやっていない人は多いだろう。証券会社があまり勧めないからかもしれない。だがダイナミックな魅力があってかつ株ほどリスクが高くなく資産の一部にするのは面白いと思う。
30年ゼロクーポン債でみてみよう。
基本:
ゼロクーポンはその時の金利で購入価格が決まる。例えば1000ドル30年ゼロクーポン債の場合30年長期金利が3%だとすると複利計算で412ドル(小数点以下四捨五入、証券会社手数料除く)で購入できる。つまり今日412ドルを支払って30年後に1000ドル戻ってくるということだ。
30年満期と言っても30年先まで現金化できないわけでなく購入から満期までの間に売却して現金化することができる。
5年後に売却、金利が同じ:
例えば5年後に売却するとする、金利が購入時と同じ3%(この場合正確に言うと25年長期金利)だとすると残り25年の金利を1000ドルから引いた478ドルを受け取ることができる。478ドルと412ドルの差66ドルが利益になる。
5年後に売却、金利が下がっていると:
売却の際に金利が下がっているとさらに利益を得ることができる。たとえば金利が3%から2%に下がったとする。
この場合610ドルで売却することができる。412ドルが610ドルになるので利益は199ドル、5年で48%になる。
よく言われる「金利が下がって債権価格が上がる」という状況だ。
5年後に売却、金利が上がると:
逆に金利が3%から4%に上がると375ドルにしか受け取れなくなってしまう。412ドルで購入したので5年間資金を投入したのに37ドルの損失になる。
「金利があがって債券価格が下がる」という状況だ。
下がっても持ち続ければ米国が破産しない限り30年後に1000ドルを受け取ることができる。また残り25年の間に金利が下がって債券価格が上がることもありえる。
その意味では資産の中で株よりも安全現金より危険という立ち位置になる。
今金利が低く(債券価格が高い)のでこれ以上金利が下がる(債券価格が上がる)というのは考えにくいが、将来金利が上がった時に検討してはと思う。
尚、ドル建てなので為替リスクもあることは理解しておいてほしい。ドルベースで利益が出ても売却時円高になってると為替損で利益が飛んでしまうことがある。
2020年2月27日
投資はご自分の判断とリスクでお願いします。