ドラコの資産運用 織田俊夫

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何度も間違うアメリカ、「中国共産党が敵で中国国民は敵ではない」は間違い

 ニュースによると、アメリカのポンペイ国務長官は演説で、中国の習近平国家主席を名指しして「全体主義イデオロギーの信奉者だ」などと強く非難したうえで、中国に対抗するため民主主義国家による新たな同盟の構築を訴えて、中国への強硬姿勢を一層、鮮明にした。

 アメリカのポンペイ国務長官は23日、西部カリフォルニア州を訪れ、米中の国交樹立への道を開いたニクソン元大統領の記念館で演説したというから面白い。

 ともかくアメリカが全体主義、人権弾圧、武力威圧外交、をしている中国共産党に対して全面対決を決めたことは力強い限りである。

 20世紀後半ニクソン時代に米国は中国との国交を回復した。対立していたソ連中国の二つの共産主義国にくさびを打ち込むためのものだった。それ以後アメリカは豊かになれば中国は自ずと民主化して西側諸国のメンバーになる、少なくとも脅威になることはないと予想していた。

 中国を知る日本人にとってはなんともお花畑な楽観論に見える。そのお花畑のアメリカがまた同じような間違いをしている。

 それはポンペイ国務長官は「中国共産党が敵で中国国民は敵ではない」と言っていることだ。

 それは運のいい例が過去にあったからだ。

 太平洋戦争時に日本は米国の敵であったが、日本が敗戦し軍国主義が終わった時に日本は民主主義国家となりその後アメリカの友好国であり最大の同盟国となった。

 アメリカは日本を成功例として間違って記憶している。

 だが実は日本は第二次大戦以前からずっと憲法をもち自由選挙で総理大臣が選ばれる民主主義国家だったのだ。アメリカなど諸外国と戦わないといけない状況になったがゆえに軍事優先の国家に一時的になっていたと言ってもいい。日本人にはもともと民主主義の価値観があったわけで、占領期にアメリカが一から民主主義を日本人に教えたわけではない。

 これに対して、中国はいままで民主主義であったことは一度もない。また今後中国をアメリカが占領して憲法から教育まで根本的にすべてを作り変えることは考えられない。

 先のブログに述べたように中国人の価値観が変わらない限り中国共産党がつぶれたとしても同じような反米反日の政府ができるにちがいない。

 中国共産党と中国国民を分断するために中国人は敵でないとアメリカは言っていて、それは戦術的に間違いではない。だが本気でそう思っているのであれば無邪気と言わざるを得ない。

 また中国国民が敵と言えば簡単に中国共産党や左翼は「差別」だと叫んで非難することができるのでそれを避けるためであることも理解できる。

 だが我々の敵は中国共産党だけではないのだ。

 積極的あるいは消極的に中国共産党とその振る舞いを支持する中国国民自身の価値観も我々の敵なのだ。

2020年8月4日