ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

みんな分かっていない黒田日銀総裁の言う2%物価上昇の世界

 黒田日銀総裁の言う2%物価上昇の世界がどんなものなのかほとんどの人は想像できていない。

 毎年2%の物価が上がった30年後世界はどうなるのか考えてみる。

 2%物価が上がると言っても一律にすべての物が上がるわけではない。毎年2%の物価上昇だと単純に掛け算すると60%物価上昇だ、その世界がどのようなものなのか考えてみる。

 輸入品や材料価格が30年後も一緒だとすると物価上昇は人件費の上昇によってもたらされることになる。(設備費などのコストは分解するとすべて材料費と人件費になる、詳しくは過去のブログで)

 輸入品や材料価格は30年間同じで値上がりなし0%で人件費は2倍つまり100%値上がりした場合を考えてみる。

 スーパーの400グラムのステーキ肉を2000円としてこの肉ができるためのコストを材料費1000円、人件費1000円としてみよう。

 20年間に肉の材料費は上がらないと仮定したので20年後も材料費は1000円だ。人件費は100%上がるので2000円になる。

 スーパーのステーキ肉小売り価格は2000円から3000円に値上がりとなる。

 次にレストランで同じ400グラムの肉を使ったステーキを注文するとする。

 レストランでは同じ肉を使ったステーキが今10000円とする。材料費はスーパーでの価格と同じ2000円(業者価格で少し安く買えるかもしれないが同じとする)、人件費(設備利益費用を含む)は8000円だ。

 人件費は30年間で2倍になると仮定したから8000円から16000円になる。ステーキ用の肉は2000円から3000円になっているから、人件費と材料費を足して合計19000円になる。

 つまり30年の間にスーパーの肉は2000円→3000円と50%の値上がり、高級レストランのステーキは10000円→19000円の90%の値上がりとなる。

 レストランの価格は60%以上はるかに上がり、スーパーの価格は60%も上がらない。

 人件費は100%2倍に上がっているので90%値上がりした19000円のレストランで食事をする人は減らないだろうが、収入の少ない人はスーパーで肉を買ってくることになる。

 昔、鳩山首相が「貧乏人は麦を食え!」と言って非難を浴びたようだが、「貧乏人はスーパーの肉を食っておけ!」という世界になる。

 

2022年1月9日