バイデン政権のアメリカ建国以来最大の外交愚策について4回に分けて述べることとしている。今回3回目。
1.最大の脅威は中国であるのに敵を間違えた。5月9日ブログ
2.その中国がウクライナ戦争で利益を得ている。5月14日ブログ
3.味方にすべきインドを迷わしてしまった。本日のブログ
4.グローバリストの思い通りの戦争で、彼らを元気づけてしまった。後日のブログ
世界の大国は今後アメリカ、中国、インドになる。
インドは中国よりも工業化が遅れてたものの21世紀に入って順調に国力を高めている。ほんの30年前貧困に喘いでいたが今は21世紀の大国としての地位を築きつつある。
中国が一人っ子政策で今後急速に老齢化することを考えると今後数十年インドの成長力の方が高いだろう。
世界覇権を狙う中国を抑えるにはアメリカはどうしてもインドの協力が必要だ。
インドは民主主義国家ではあるが、一方で長らくソ連、ロシアとの関係が深い。実際ロシアのウクライナ侵攻に対しての国連批難決議に棄権をしている。
インドの基本外交は遠交近攻だ。
インドの敵国は西側の隣国パキスタンと北の隣国中国だ。この中国とパキスタンを抑えるためにインドはソ連・ロシアと友好関係を保ってきた。経済交流だけでなくソ連・ロシアから武器供給を受けてきたのだ。
そんなインドの中国との対立を利用して中国包囲網を構築したのが安倍外交だった。インドが民主主義国家であること中国と対峙していることの二つを巧みに利用して日米欧の仲間に引き入れたのだ。
トランプ大統領時代に中国制裁ができたのは安倍首相の外交努力によるところが大きい。
だがバイデン民主党政権はロシア挑発を挑発しウクライナ戦争を起こして、北のロシアを敵に回し南のインドを迷わせることによって、中国包囲網に亀裂を入れてしまった。
インドは対中国・対パキスタンを考えればロシアをないがしろにするわけにはいかない。
今後インドがおとなしく草をはむインド象でありつづけるとは限らない。
どこかで世界制覇を狙うことがあるかもしれないし、インド洋だけでなく宇宙支配を考えることだってありえる。今のインドをみればないかもしれないがインドが暴走する可能性はゼロとはいえない。
インドをアフリカゾウのように荒々しくならないようにするにはインド太平洋連合を自由と民主主義という価値観を共有しながら、中国包囲網の一員であり続けることがインドの利益になるという歴史を歩んでもらわなくてはいけない。
にもかかわらず必要のない戦争をアメリカは起こし、インドを迷わせるようなことをしたのは歴史的な大失敗だ。
2022年5月16日