クルド人と言ってもほとんどの日本人は知らない。
クルド人は4,5千万人もの人口がいるが国家を持たない。
トルコ、イラク、イラン、シリアの国境沿いに住んでいる。トルコ、イラク、イラン、シリアの国境線は植民地にしていたイギリスやフランスが引いたものでクルド人はその時忘れ去られていた。
クルド民族は国家を作りたいが、トルコ、イラク、イラン、シリアにとっては国土の何割かが分割されることになるわけで許すわけにはいかない。
ここ数日フィンランドのNATO加盟にトルコが反対していて、それはフィンランドがクルド人組織を支援していることが理由となっている。
また現在上映中の「マイスモールランド」は日本にいるクルド人難民家族の話だ。
1980年代後半イラクのフセイン大統領は徹底的にクルド民族を弾圧していた。化学兵器を使っての凄惨なものだった。
その時まだアメリカはイランとの対立上イラク非難は限られていた。
イラク北部にはイルクーツクなど大油田地帯がある。クルド族居住地域と重なり、クルド人が独立するとイラクは重要な油田を無くすことになる。
私はクルド人に直接会ったことはない、というよりバグダッドや北部の街で普通に歩いていたのだろう、見分けがつかなかっただけなのだと思う。
クルド人は独立するためにシリア、トルコ、イラン、イラクと戦わないといけないばかりか、かつてのイスラム過激派組織とも戦ってきた。
イスラム教を信じているがかなり西洋化された感じで男女平等も進んでいると聞く。
軍隊に30%ぐらいの女性兵士がいてとても強いらしい。
イスラムの軍隊では女性兵士に殺されると天国に行けない、と言う話があるようでクルド女性兵士が前線に出てくると恐ろしい過激派の兵士すら逃げだすという話をきいたことがある。
今、保守中道の論客はトルコにある程度のお土産、つまり資金援助や武器供与をすればトルコはフィンランドのNATO加盟を認めるだろうという人が多い。
だがイラクが化学兵器を使ってまで弾圧したクルド問題は、トルコにとっても国家の大問題だ、妥協してフィンランドのNATO加盟を簡単に認めるとは思えない。
2022年5月23日