ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

「東京大衆歌謡楽団」はすごい

 「東京大衆歌謡楽団」はすごい。

 かつてビジネススクール経営学を学んでいた時に新規ビジネスを立案した。

 30人ぐら学生はいたと思うがほとんどが現役のビジネスマンだった。自分の会社での新規事業や今後独立してやるビジネスを想定して個々に計画を作った。

 最初の中間報告で全員教授からやり直しを命じられた。

 銀行員は立派な資金繰り計画を作っていた。メーカーマンはどのように製品を開発していくか詳細を書いていたし、広告会社の人はどうやって消費者に宣伝していくかをレポートに含めていた。大企業の人事担当は組織図と人材について述べていたし、営業担当者は販売地域や人繰りについて書いていた。

 教授はそれぞれ自分の専門の所の記述が多くなるのはやむを得ないが、全員肝心なことが抜けていると言った。

「君たちの計画にはニーズの確認がない、ニーズの確認できれば金は集まってくるし人も手配できる、商品も開発することができる。ニーズが本当にあるのかどうか確認するのが新規ビジネスでやるべきことだ。まずは現場に行ってニーズがあるか確認してくるべきだ。」

 結局学生たちは現場に行ってニーズを確認することになり、それなりに大変なこととなった。

 顧客の所に話を聞きに行く、街中でアンケートを取る、小売店など顧客に接するところに何度も足を運ぶ、などなど一人で出来ない場合は学生同士でお互いの課題に協力ししてやった。

 さて90歳の母が珍しくコンサートに行くらしい。

「東京大衆歌謡楽団」だ。

 昭和の30年ぐらいまでの歌謡曲をその当時のようにボーカルは髪をポマードで固め三つ揃えのスーツに丸い眼鏡をして直立不動で歌う。伴奏はアコーディオンとギターとベースだ。

 昭和初期の歌を徹底的に歌い続ける。90歳前後の高齢者がまさに求めていたものだ。

 まことにニッチだがビジネススクールの教授が言ったニーズを見事につかんでいる。これからも成功するのは間違いないと思う。

2023年2月14日