バイデン政権は中近東でも外交的大失敗をしている。
サウジアラビアはイランとの国交正常化を約束した。その仲介に中国が入っている。
中近東は三つの勢力から成り立っている。アラブ諸国(サウジアラビア、ヨルダン、シリア、アラブ首長国連合(UAE)、イエメン、など)、イスラエル、イランだ。
その内のアラブ諸国は大きな枠組みであってお互いに牽制したりシリアのアサド大統領のように今戦争真っ最中という指導者もいる。
だがアラブ諸国、イスラエル、イランの三つの大枠でまずは考えるのが分かりやすい。
アメリカにはユダヤ人が多いのでユダヤ国家であるイスラエルを支持支援している。一方で石油資源を持つアラブ諸国とも有効な関係を続けてきた。実際今までアラブ諸国の盟主であるサウジアラビアにはアメリカの最新鋭の戦闘機が供与されてきた。
イランはアメリカにとって敵だ。1978年ホメイニ革命の後アメリカ大使館は選挙されて大使館員たちは人質となった。
この時のアメリカの恨みは相当なもので以来アメリカはイランを悪の枢軸国として敵国とみなしている。
余談だがアメリカ海兵隊が人質救出作戦をしたが砂嵐で失敗、運が悪いのか外交の実力なのかその時はカーター政権でやはり民主党政権だった。
この三つの勢力のうちイスラエルとアラブ諸国をアメリカ側につけるのが重要なのだがこの二つは長年争ってきた。それはイスラエルはアラブ人の土地にユダヤ人が割り込んできて建設されえた国家だからだ。
トランプ政権はその対立を見事にコントロールしていた。かつてのアメリカ大統領の中でぴか一の外交手腕だった。
2020年イスラエルはアラブ諸国のモロッコ、アラブ首長国連盟と矢継ぎ早に国交正常化を発表した。この調子で行けばアラブの盟主サウジアラビアとの国交正常化も時間の問題とされた。
2020年アラブ諸国の敵はイスラエルではなくイランだという雰囲気にまでなっていた。
だがトランプ外交を引き継ぐべきだったのにバイデン政権はアラブ諸国を無視した。
その結果は惨憺たるものでロシアのウクライナ侵攻の際にバイデン大統領はサウジアラビア訪問までしたのに原油増産の言質を得ることが出来ず、数日後逆にOPECは原油減産を発表する。
そして今回アメリカが敵とするイランとサウジアラビアが国交を回復することになった。しかもアメリカの敵である中国の仲介だ。
バイデン政権は何をやっているんだと呆れるばかりだ。
2023年3月27日