ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

英国は迷う、迷いに迷って正しい決断をする。

本ブログは2019年7月14日作成しニコニココンサルタントの顧客に配信したものですが、はてなブログへの掲載は2019年11月1日(ブログ開始初日)です。

 

 英国は大いに迷う、迷いに迷って正しい決断をする。
 

 英国が迷ったのは今回だけではない。

 英国が清国と戦ったアヘン戦争では英国議会で大議論がなされて開戦賛成271票、反対262票の9票差で戦争が決まっている。

 現代の倫理観からすればアヘンを売りつけて戦争をするというとんでもない話、さすがに反対意見も多かったが大議論の末に僅差で可決された。

 この戦争で英国は香港など5港を手に入れその後第二次大戦終了まで中国や東南アジアの覇権を築き上げた。植民地にされた人々から反発を受けると思うが、弱肉強食の帝国主義時代では正しい判断であったと言わざるを得ない。

 第二次大戦においても英国議会はナチスドイツとの融和派と戦争派に分かれて大議論をしていた。チャーチルの前の首相チェンバレンは融和政策を進めた。

 第二次世界大戦が始まった後あの強硬に見えるチャーチルさえもドイツとの早期和解を模索していた。映画「チャーチル」にあるようにドイツが英国本土進攻を進めている直前まで全面対決を避ける可能性も考えてたのだ。

 しかし最終的にチャーチルは全面戦争を決断し英国本土防衛で勝利し、反撃のきっかけをつかんだ。


 歴史をみれば英国はよく迷う、でも最終的には正しい決断をする国なのだ。

 

 ブレグジッドにおける英国の選択は三つ、①国民投票をもう一度やってEUに戻る、②離脱するが実質EUに残る、③EUから完全に離脱する。

 

 最終的に英国は③の方向に進むと考える。もちろんEUと対立するわけではないのでEUとの間で合意がなされ多くの項目で関税がなしになるなどあろうが、限りなくEUから独立し主権を取り戻すと考える。

 

 EUから独立は英国のデメリットが大きいとマスコミは煽っている。でも実際はそれほどでもなく逆にメリットは大きい。

 EUとの労働者の行き来が不自由になると言うが、むしろ英国は東欧からの労働者の流入をコントロールすることができる。

 英国が金融センターでなくなるというのも本当だろうか。現在でも独立したポンドをEUの統一通貨であるユーロは使っていない。

 金融政策が自由になれば法人税を下げて多国籍企業を呼ぶことも可能だ。

 税関が大変ということもあるがが事務的な問題で税関事務所を作ればいいだけだ。

 ホンダが英国から出て行くことを決めた。だが英国には英語という強力な武器がある。ドイツやフランスならまだしも東欧諸国のポーランドハンガリーブルガリア、などはそれぞれの言語があり現地に工場を建てるのは言葉が大きな壁となる。


 EUと英国の法人税、関税次第では多くの企業が英国に残だるだろう。

 

 英国がEUから完全離脱するとそれに続く国が出てくる。そしてEUはいままでのままでいることはできず、崩壊するか、縮小するか、緩やかな連合になるか、のいずれかになる。20年後歴史を振り返ると英国はEUから離脱した最初の国だっただけのことになるかもしれない、ならば早く離脱して新しい経済体制を整えた方がいい。

 そして米国、オーストラリア、インド、など旧大英帝国に日本を加えた経済圏で英国は生きていけばいいのだ。

 
 短期的には英国議会の混乱、EU交渉の難航でなんども揺らぐはずだ。でも最終的に英国はEUから離脱をする、そして長期的にみれば離脱した英国は成長を続ける。

 

 今もし所有している英国債権株式があるならそのまま持って、混乱の中でポンドや株債権が下落したときは買い時だと私は考える。
 
 投資はご自身のご判断とリスクでお願いします。