東京都心のみが人口増加が予想されるため不動産価格が上昇していると述べたが、それだけでなく東京都心はきちんとした実力があるからだと私は見ている。
東京が経済の中心であることは明らかだが、文化歴史の面においてもダントツ日本で一番だ。
まず歴史についてみてみよう。
歴史は京都が一番だと京都人に言われそうだし、私もそう思っていた。
京都は794年から明治維新まで1000年以上の歴史があるとされているが、17世紀初めには政治の中心は東京(江戸)に奪われている。東京は政治の中心として400年以上の歴史があって京都の半分あると言っていいだろう。
京都は第二次世界大戦で焼失しなかったものの1000年の間に何度も火事、略奪が行われている。また平安時代という今から1000年前全盛期であったため残されているものは古いのはいいが今との繋がりが遠い。
一方で東京は巻頭大震災や空襲があったが、近現代の歴史なので残存する文化遺産は多く現代との距離が近い。
東京は新しい街のイメージがあるが400年の歴史はアメリカのどの都市よりも古いし、ロンドンやパリよりは新しいが歴史の長さはあまり変わらない。
私が東京の文化遺産の多さに驚いたのは最近美術館巡りを始めた時だ。
専門のサイトをみると東京都内では50~100の公立私設美術館が常時開演している。国立博物館、かつての豪商や政商の私費を使っての蒐集から始まったもの、最近の新鋭美術家のものなどがある。
大阪万博の太陽の塔を政策した岡本太郎の博物館も大阪ではなく東京都渋谷区と神奈川県川崎市にある。
同じサイトで京都を見ると10前後しかない。中世の文化物を見るなら京都だが近現代の文化物は圧倒的に東京ということになる。
私は関西出身で京都の肩を持ちたい。確かに京都の寺は立派で季節ごとに綺麗な景色が見られる。だが日本人は豊かになり生活から宗教が薄まっている。京都の観光地が自社ばかりで線香臭く思えるのは私だけなのだろうか。
東京の文化遺産が直接不動産価格に影響しているかを証明することはできないが、東京の底力になっているのは間違いない。
2024年5月8日