ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

大量のバターをパンに塗るドイツ人

 ドイツでは定期的に見本市が開催される。

 雰囲気は幕張メッセなどで行われている見本市と同じだような感じだ。

 だが問題は開催中ホテルが取れなくなる。半径50キロぐらいのホテルが満室になってしかも価格が3倍ぐらいになる。

 私はうっかりホテルを予約するのを忘れて見本市側に相談したら今でいうA&Bを紹介してくれた。普通の家に泊まることになるがいいかと言われたので大丈夫と返事した。

 ドイツなどヨーロッパの街では7,8階の住宅(日本でいうマンション、海外ではアパート)が道路に面して並んでいる。

 紹介してもらった住所に行くとそんなビルの屋根裏部屋、最上階の部屋のようだ。

 一番上の部屋のことを屋根裏部屋と言っていたが天井はほかの階と同じ高さがある。

 どうも最上階は暑かったり寒かったりだしエレベーターがあるとはいえ時間がかかるので家賃が安いらしい。

 老夫婦の住宅で私は結局リビングのソファで寝ることになった。ドイツ人の老夫婦はひとつある寝室で寝た。他のホテルは満杯なので文句は言ってられない。

 朝目覚めると朝食を用意してくれていた。

 大きなカップに入ったコーヒー、黒パン二枚、サラミが二枚、そしてバターだ。

 ドイツ人らしい朝食だと思って黒パンをちぎりながら食べ出すと、老夫婦のお爺さんの方が、ドイツ語でいやいやそんな食べ方ではだめだと言って、私のナイフを取ってパンにバターを塗りだす。

 バターはゆうに50グラム以上あった。日本のスーパーで売られているバターは200グラムだからその四分の一以上だ。

 お爺さんは黒パン二枚にドイツ人らしく均一に丁寧にバターを塗る、厚さ3ミリに塗った。いや載せたと言っていい。

 すべてのバターを2枚の黒パンの上に塗り、その上にサラミをそれぞれ載せた。

 どうも、仕事をするんだからこのぐらい食べないとダメだと言ってくれているようだ。

 残すわけにいかないので全部平らげたが、当日見本市会場では雨の降る寒い日だったが午後2時ごろまでお腹は空かなかった。

2022年6月22日