ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

与論島の飲み屋のアクリル板は異常に高かった

 先日与論島に遊びに行って夜居酒屋に行ったのだが、コロナ感染防止用のアクリル板の高さが異常だった。

 床に座る5,6人用のテーブルで向こう側とこちら側の真ん中を仕切って高さ2メートルぐらいのアクリル板があった。アクリル板の周りは木の幅5センチぐらいの枠組みがあってテーブルに釘数本で頑丈に打ち付けられていた。

 立っても向こう側との間にアクリル板で遮るようになっている。お皿やしょうゆをやり取りするためにテーブルとアクリル板の間に10センチほど隙間ができている。醤油皿のやりとりはできるが、生ビールのジョッキは通らないのでテーブルの横から渡すことになる。

 これは「与論献奉」をさせないための対策らしい。

 「与論献奉」は簡単にいえば焼酎の回し飲みだ。一つの盃を親と子、たぶん招いた人と客人との間で飲み回すのだ。延々と続いて客人が飲みつぶれるまで続く。翌日以後酔いつぶれた話で盛り上がることになる。飲んで友だちになる与論ならではのやり方なのだ。

 新型コロナ蔓延防止のために「与論献奉」は禁止となった。たぶん地元の人はそれでもやろうとしたのだろう。突然おとなしい飲み方をしろと言っても無理なはずだ。店側としてはどうしても止めさせなくてはいけなくて客を分断する畳よりも大きな背の高いアクリル板で遮ったのだと想像できる。

 ふと与論島にかような過激な飲み方が出来たのだろうと考えた。

 おそらく地元でサトウキビから出来る焼酎があり、他に余興ががなかったからだろう。

 さらに沖縄本島、中国、本土から離れ人の行き来の少ない島で伝染病が来ることがなかったから回し飲みをしても大丈夫だったのだろう。

 人の交流が少ない明治以前にこの飲み方が伝統になってしまったのだろう。そして明治以後はインフルエンザなどの伝染病は「与論献奉」で一気に広まることを繰り返していたに違いない。

 

2022年11月30日