ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

映画「ある男」を観てきた

 映画「ある男」を見てきた。

 一部ネタバレあります。

 離婚して長男と宮崎の実家文房具店戻っていた女性が、店に現れた口数の少ない男と再婚する。男は伊香保温泉の旅館の次男で訳あって宮崎のこの街まで流れてきた。林業に仕事を見つけ地元に溶け込み女性と義理の息子を大事にして幸せに暮らしていた。しかしある日林業の仕事場で事故死する。

 1年後伊香保温泉の旅館の兄が法要で表れる。仏壇に置かれた写真を兄が見て弟ではないと言い出す。

 そこで最初の夫との離婚で相談した弁護士が謎を調査をしていくと言う話だ。

 戸籍を交換して過去の自分を捨ててその人物になりきって生きて行く。戸籍を渡した人物、戸籍を受け取った人物、それぞれに事情があることが次第に明らかになっていく。

 安藤サクラが女性役で不幸と幸せを繰り替えし母親としても生きて行く、いい味を出していた。

 平野啓一郎の原作だが、映画は時間が限られていることもあって戸籍を交換した人たち全員のストーリーは端折っていたようだ。それぞれがどんな人生を歩んだのか、原作を読んでみたいと思う。

 弁護士は妻夫木聡が演じている。弁護士自身は在日三世で裕福な家の娘と結婚していたのだが、義理の両親が朝鮮人差別の言葉を発し、戸籍交換の闇を知っている服役中の人物(柄本明)からも同じように差別の罵声を浴びせられる。

 平野啓一郎氏は在日ではないらしい、よくもここまでストレートに朝鮮人差別を書いたものだと思う。

 そんな弁護士は問題解決したかと思ったら妻が浮気をしていることを知ることになる。

 彼も同じく自分の経歴を捨てようとしている、あるいは捨てた、と思わせる終わり方となっていた。

2022年12月1日