ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

前方後円墳の前方は土砂を持ち上げる坂だった。

 最近日本の古墳は本来農業用地を開拓した際の土砂を盛り上げたという説が出てきている。いらない土砂を捨てたら山ができたのが先で、せっかくだから宗教儀式やお墓に使おうということになったのではないかということだ。

 奈良県馬見古墳に何度か行ったことがあって私も農地開発のために土砂を山積みにしていたのではと思っていたので、古墳農業用地開発土砂説には先を越されたと思った。何世代に渡りかような大建造物を宗教的な目的だけで造るのは無理があると考えていた。なんらかの合理的な理由があったはずと思っていたので農地土砂廃棄仮説は納得できる。

 さて実は私はもう一つ古墳について仮説を持っている。

 それは普通に土砂を積み上げれば丸と四角になって前方後円墳の形になるという仮説だ。あの鍵穴のような形は一見特殊で神秘的な感じがする。だがもともと宗教的な意味はなく純粋に土木工事をやればあの形になるはず、と考える。

 どんどん土を山のてっぺんに置いて積み上げていけば自然と丸い山ができる。しかし山が大きくなってくると上部の土が下に落ちて山崩れを起こす。すると山の上に土を持ち上げる道が塞がれてしまう。

 そこである程度の高さに丸い山がなるとその一方向に山に登るなだらかな道を作る。これが前方後円墳の前方の部分になる。丸い山が大きくなるにつれて山に登る坂は山側が高くなり徐々に幅が広がる。土はいろんな方向から持ち込まれるのでどうしても大和は反対側の低い方が広がっている末広がりになる。

 四角部分は高さはないが上から見ればこの段階で前方後円墳の鍵穴の形になる。

 丸山が完成すると今度は丸い山へ土を持ち運んだ坂(最終的に前方後円墳の前方になる)をさらに土を積み上げて行く。最初は方墳の広い方向から土砂を入れていくがだいたい平になったところで今度は逆にくびれた部分から土砂を積んでいくことになる。

 もし前方後円墳が純粋に宗教的な目的のために作られたのであれば丸い山を作ったらそのあとその山に登る坂は取り去った方が単純な円でその方が美しい。山に登る坂の土砂を他へ持って行けないばかりかさらなる農地開発でどんどん土砂がたまるので、次いでに坂は壊さずに山ににしてしまえということになったのだと考える。

2020年6月3日