ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

リベラル政党の第一目標は所得の再分配だ

 リベラル政党の最大で唯一の目標は所得の再分配だと私は考えている。

 自由競争をすれば当然勝者と敗者が生まれる。日本の自由民主党アメリカの共和党はそれをよしとし、日本の野党やアメリカの民主党はそれを所得再分配で是正すべきと考える、というのが保守とリベラルの違いでないといけない。それ以外の政策の差はいろいろあるがそれぞれ小さなことでこの所得再分配を積極的に行うかどうかが保守とリベラルの違いだと考える。

 だが本来リベラルがなすべき所得の再分配を日本の野党も米国の民主党も忘れているか無視するか放棄している。

 日本の立憲民主党社民党、国民民主党共産党などの左翼、左派政党において所得の再分配に関する議案を国会に出したという話は聞かない。やっているのはモリカケ、さくら、ケンサツとともかく安倍政権が悪いと連呼するだけで国民の所得を平準化しようとする活動は何もしていない。

 そればかりか2014年野田民主党政権時に消費税を5%から8%に増税している。本来であれば所得税の累進化を図り、法人税増税を行うのがリベラルのやるべきことであるにもかかわわらず、低所得者に負担を強いる逆進性のある消費税の増税を行った。

 一方米国の民主党をみているとクリントン時代にグローバリズムを進めた。グローバリズムは米国などの先進国が中国などの発展途上国に行って、その労働力を利用してものを安く作り、その商品を本国あるいは進出先の国などで売ると言うものだ。

 一番得をするのはグローバリズムを進める先進国の企業、次に儲かるのは中国など発展途上国の企業、そして発展途上国の労働者は仕事に就くことができて豊かになれる。取り残されるのは米国など先進国の労働者だ。

 アメリカ労働者の賃金を抑圧するグローバリズムを本来労働者の味方であるべきリベラルの民主党が進めてきたのだ。そして今共和党トランプ大統領グローバリズムに反対をして、仕事をアメリカ本土に戻そうとしている。まったく皮肉なことである

 アメリカの民主党所得の再分配で行ったことと言えば国民皆保険を目指したオバマケアぐらいしかない。

 アメリカの大学授業料は日本の4,5倍になってしまっている。民主党予備選でサンダース氏は大学授業料の目標を掲げた。日本人の感覚からすればそのような公約は民主党候補指名確実となったバイデン氏が引き継ぐべきだと思うが、彼の公約とはなっていない。たとえバイデン氏が当選したとしてもアメリカ人に生まれて大学に行こうと思ったら金持ちの親に出してもらうか、成績が無茶苦茶よくて返済なしの奨学金を受けるか、銀行から平均20年間返済しないといけない多額のローンをするしか方法はない。

 リベラルが本来目標としなくてはいけない所得の再分配を無視するのはなぜなのだろう。それはリベラル政党そのものが所得の低い人たちの代表ではなくなっているからだ。

2020年6月4日