ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

虐げられた人たちが世界を破壊する。

 世界には虐げられた人が多くいる。

 祖先のほとんどが奴隷としてアメリカ大陸に渡ってきた黒人はだいぶん改善されたといはいえアメリカ社会にまったく差別が亡くなってとは言えない。

 ほとんどの黒人は平和的な方法で抗議デモを行っているが、彼らの怒りを利用して暴力に訴えあわよくば革命を起こそうとしているやからもいる。差別の鬱憤(うっぷん)が民主主義を否定する暴力の推進力となっている。シアトルでは暴動者たちが自治を行っている地域があるぐらいまで深刻な問題になっている。

 かつての日本もそうだったのではないか。欧米の中で一国だけ白人ではない国が生き延びるのは大変だった。もちろん時の指導者が道を誤ったというのは事実かもしれないが、急速に発展する非各人国家を他の国々が日本の発展を許さず、早かれ遅かれ日本は潰されていたのではないだろうか。そんな厳しい未来を感じていた日本は拡大路線を取らざるを得なったのだ。虐げられた日本が世界に無謀な挑戦したと言っていい。

 今の中国も同じだ。中国は世界の植民地で、中国人は白人からすれば差別の対象だった。そんな中国が中国共産党のもとに経済的に大発展をしている。その活力は豊かになりたいという思いと、虐げられてきた中国とその国民は欧米日と肩を並べることになるという思いが源泉となっている。中国人にとって欧米日が言う民主主義は大事なことかもしれないがそれよりも過去100年以上の渡る欧米日の植民地政策と差別に対する報復のほうが大事なのだ。

 香港の弾圧がニュースで報道されているが、そもそも香港は中国の領土であり戦争で無理やりイギリスに奪われたものだ、その奪われた香港を取り戻し自分たちの好きなようにすることが何が悪いのか、一国二制度を守らないことのなどイギリスがアヘンを売りつけて香港を植民地にしたことの方が何百倍も悪い、というのが中国の思いなのだろう。

 アメリはこの中国の考え方を許すことはない。民主主義の敵となる中国に徹底的に圧力をかけるだろう。

 だが中国には14億人の世界に対する積年の恨みが莫大なエネルギーとして蓄えられている。この虐げられたエネルギーは習近平主席が失脚しても、中国共産党がつぶれたとしても、そう簡単にはなくならない。

2020年8月24日