ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

アフガンで失敗しても北京オリンピックでは失敗できないバイデン大統領

 バイデン大統領はアフガン撤退で失敗したが、続いて北京オリンピックで失敗すると完全にレイムダック化するだけでなく歴史に残る無能な大統領として記憶されることになる。

 それどころか中国がのさばり世界を奈落の底に陥れる可能性だってある。

 アフガニスタンからの撤退は米国が中国との対峙に力を注ぐための戦略的なもので、これはトランプ大統領が任期中に決めていた。共和党民主党も基本的にアフガニスタンからの撤退には賛成をしていた。戦略は正しかった。

 問題は撤退の仕方だ。タリバンにあっという間に首都カブールを占領され、自国民や政権に協力してきたアフガン人を退避させることができなかった。

 戦術の失敗は明らかで、いままで味方だった米国のマスメディアさえ呆れて猛烈な批判をしている。

 この後始末にバイデン政権は労力を取られている。

 だが今やらないといけないのは中国の封じ込めだ。そのためにアフガニスタンから撤退を決めたのに、その撤退で足を取られ中国への対峙がおろそかになっているのでは本末転倒だ。

 すでに東京オリンピックパラリンピックを終わっており、筋書では中国へのウイグルなどの人権批判をもとに北京オリンピック不参加のカードをちらつかさないといけない時期だ。

 だがバイデン政権にその動きはない、最大の同盟国である日本は菅政権が退陣することになり今後総裁選挙、衆議院選挙の予定となっていて政治的に大きな動きができる状態にはない。ましてや高市氏ではなくリベラル色の強い河野氏、岸田氏が首相になったら北京オリンピック不参加は考えもしないかもしれない。

 米国はレイムダックとなったバイデン大統領が今後3年半政権を握ることになる。そして日本はかなりの確率で河野あるいは岸田という本音では対中融和を考える首相が選ばれるとなると、日米同盟が弱体化し中国が用意にゆさぶりをかけてくるだろう。

 両国の状況は何ともこころもとない。北京オリンピックの参加不参加は今後3,4年の中国包囲網が成功するかの試金石になるだろう。

2021年9月17日