ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

潜水艇タイタン失敗、拝金主義と実験軽視の結果。

 6月22日アメリカの沿岸警備隊は沈没した豪華客船タイタニック号を探検する潜水艇タイタンの破片を見つけた、水圧でつぶれたと考えられ乗っていた5人は絶望的だとした。

 タイタンは民間企業が開発所有しているものだった。

 民間企業であれば公的機関と違ってスピードが速い、一方で金儲けに流れてしまうことがある。

 今回はその悪い方の典型的な事例だろう。

 特に彼らが見落としていたことがある。

 海にある人工物は壊れる。海は絶えず波や潮流があって物体を揺らしねじらし上下させる。塩分を含んでいるので金属は必ず錆びてしまう。金属も樹脂も疲労が溜まて陸上で想定するより遥か早くに破壊される。

 このことを甘く見ていたに違いない

 本来ならば公的機関の認証を受けたり金属疲労を徹底的に研究しなくてはいけなかったのに利益至上主義でいい加減にしてしまったと思われる。

 私の知り合いに化学プラントの技術者がいあるが、欧州の認証機関に今年5回出張している。なんでも新しい製品の認証を取るのにあれこれ不具合が出て簡単にいかないらしい。

 私が「それはドイツ人とかフランス人の意地悪だろう、日本に認証を出さないようにしているのでは、本当は袖の下(賄賂)でも欲しがっているのではないのか」といったら、彼が言うにはぎりぎりいいところまで行っているのだが、技術的に本当にダメでうまくいかない、彼らの言っていることは論理的だし本当なんだ。」と言った。

 新しいものの開発はこういうものなのだと思う。

 いろいろやってもできない、設計段階ではうまくいくようなものでも実験したらダメだった、と言うことはしょっちゅうだ。

 タイタンの所有会社のトップは彼のような技術者の言うことに耳を貸さなかったのだ。そしてどこか第三機関に認証を得る、あるいは積極的に外部のアドバイスを受けることをしなかったのだ。

2023年6月24日