ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

海で隔たっている以外台湾の方がウクライナよりすべての点で脆弱という事実

 台湾の方がすべてにおいて、隔たった海があることを除いて、ウクライナより脆弱だという事実を並べてみる。

 最初にウクライナにはアゾフ大隊を始めとする民兵がたくさんいる。

 今はウクライナ軍の正規軍としてロシア軍と戦っているが、もとはネオナチと呼ばれる集団だった。出自は別としてウクライナにはロシアと全面的に戦う民間組織があった。

 一方で台湾は最近になり徴兵制をやめている。4か月間の軍事訓練は残っているようだが、中国が攻め入ってきたときに民間の軍事組織がゲリラ活動をできるかウクライナに比べると疑問だ。

 二つ目はロシアに対して非難をし制裁を加えているが、台湾進攻の際に同じように中国に対して欧州が制裁するかどうかは疑問だ。

 ウクライナは同じ欧州であり陸続きの所が侵略されていて欧州の辺境とは言え隣の話だ。一方で中国は遠く離れた国だ。経済関係を優先して中国に制裁を掛けない可能性がある。

 三つ目は肝心のアメリカも本気で台湾を守らないかもしれない。

 ロシアに対して世界のユダヤ社会は大きな反感を持っている。その力がアメリカ民主党を動かし、欧州諸国をウクライナ支持にしている。だが、台湾は本気で台湾を支援するような海外の力がない。

 もしかするとアメリカは台湾を見捨てることが考えらえる。

 四つ目に人口規模、経済規模にしても中国は巨大な国家だ。

 ウクライナの人口は4000万人、ロシアの人口は1億5千万人で約3倍だ。一方で台湾の人口は100万人だ。経済規模も数十倍になる。中国が物量と大軍勢で台湾を責めれば台北キエフと違って簡単に陥落するかもしれない。

 五つ目に中国軍の技術力だ。

 ウクライナ軍が多用して戦果を挙げているドローンは中国の得意分野だ。今後ウクライナ戦争の兵器を研究して優秀な武器を生産する能力を中国は持っている。またサーバー攻撃なども今でも得意であるから今後さらに磨きがかかると見たほうがいい。

 六つ目にロシア批難以上に中国非難は国際的支持を得られない可能性がある。

 ウクライナは独立した国でありそこにロシアが侵攻した、これは誰が見ても「侵略」になる。中国は台湾は自分たちの領土だと主張しているが、それだけでなく台湾は国連加盟国ではない。台湾を支持するアメリカでさえ一つの中国を否定していない。

 ロシア批難決議であっても多くの反対、棄権が出ている、中国の台湾進攻の場合、非難決議にはさらに多くの反対、棄権が出るだろう。ロシアよりも中国への経済依存度は高い国が多い。中国の内政問題だとして中国に制裁を加えない国はロシアに制裁を加えない国よりも多くなるに違いない。

 実際に中国が香港の民主化を潰した時、世界各国は非難はしたが、結局軍隊を出すところはどこもなかった。

 このように考えると100万人の中国軍が台湾海峡を渡って上陸したら、アメリカも欧州も直接軍を出すことが出来ず、台湾国軍のみが戦い、台湾民衆は戦わずして逃げまどい、中国のサイバー攻撃で通信はズタズタにされ、中国製ドローンなどの最新小型兵器で散々な目にあって占領される、ということが考えられる。

 つまりウクライナより台湾が防衛に勝っているのは、台湾海峡という海で隔たっていることだけだ。

 台湾はこの海を絶対に渡らせないことが台湾防衛の最優先の戦術であり、海上で侵入する船舶と航空機をすべて壊滅するのが唯一の戦術ということになる。 

 ウクライナにおけるロシアの苦戦をみて中国共産党が台湾進攻を諦めるなどと考えてはいけない。100%中国共産党は台湾進攻を引き続き策略していると考えるべきだ。

2022年5月5日