ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

地方に住む兄から白菜が届いた。

 一か月ほど前に地方都市に住む兄から白菜が届いた。

 兄は国内転勤が多い仕事で東京を含む全国各地に転勤になっていたが、転勤先の一つの街が気に入ってそこに住居を構えている。

 定年退職した彼は農家から小さな農地を借りて趣味で農業をやっている。

 立派な白菜で新聞紙に包んであるが一か月しても全くみずみずしい。

 今はどうか分からないが白菜は海外ではあまり栽培されていなかった。キャベツは世界中ほとんどの国にあるが白菜が普通にある国は少ない。

 私が欧州に駐在していたときこの白菜で外交問題になろうかと言う事件があった。

 駐在員の奥様方が相談して日本から白菜の種を持ってきて現地の農家のおじさんに頼んで育ててもらったのだ。奥様方は白菜が成長したら全量買い取ることとした。農家のおじさんは興味もあって快く引き受けてくれたらしい。

 数か月してそろそろ収穫時なのでその農家に連絡をすると白菜が一つもないとのこと。

 奥様方は農家に行って確認するとおじさんは

「一週間前に君たちは来て全部買い取って持っていったじゃないか」と言う。

 奥様方全員に確認したがだれも一週間前に白菜を買いに来た人はいない。

 後日分かったのは、お隣の国の駐在員の奥様達が畑になっている白菜をたまたま見つけて全部買い取って行ったようだ。農家のおじさんは同じような顔をしているのでてっきり日本人の奥様がたが来て約束通り白菜を買いに来てくれたと思い全量売ってしまったらしい。

 その後大使館を通してクレームとなったものの、日本人の奥様方の泣き寝入りということで穏便に事は済んだと聞いた。

 兄が一緒に送ってくれたお手製のキムチも冷蔵庫にあることを思い出した。

2022年7月17日