長野県4人殺人事件の犯人は親の期待に添おうとして結局ダメだったのだろう。親は必死になって彼を支援していたのだと思う。経営するジェラート店に長男の名前を付けていたらしい。
先のブログで述べたように親は私に好きな人生を歩めとは言っていたものの、ことあるごとに自分たちの望みを言っていた。
地元の国立大学に行け、市役所か県庁に勤めよ、地元の地方銀行に就職せよ、などだ。
大学生のころ関西の実家に帰った際に母が
「アンタの先輩の○○君は京大出て市役所に勤めたらしいで、安定しててええねんで、考えてみたらどうや?」
就職するときに鉄道会社の経理をやっていた父から某政府系金融機関に就職したらどうだと言ってきた。その金融機関のお偉いさんと話をつけて面接の段取りまで付けていた。当てにならないが一応コネというやつだった。
私は田舎には戻らないと宣言して母の提案を断固拒否、父紹介の金融機関の人事部から電話があったが銀行に行く気はないと丁寧にお断りをした。その上で勝手なことをするなと父にクレームして暫く親子の縁を切った。
20年以上が経ち実家に帰った時、ふと母が
「アンタの先輩の○○君市役所で働いてるの見たわ、スリッパ掃いてはった、道路掃除のことで相談したんやけどな、京大出てもったいないなあ。」
私は道路清掃の管理は立派な仕事だと思うし、スリッパ掃いていてもいいとは思うのだが、母は京大出て市役所に勤めるのは良くないと言いたかったのは明らかだった。
そして父も言った。
「○○銀行潰れたな、まあ倒産と違って合併やけどな、銀行なんかいったらあかんで」
開いた口が塞がらなかった。二人とも昔言った言葉はすっかり忘れていた。
2023年6月5日