ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

中国大破壊は400兆円規模、習近平の価値観が分からず間違った判断する識者たち

 中国不動産崩壊を論じる多くの識者の論点はボケている。

 本日のプレジデントオンラインの真鍋昭夫氏の記事によると「予想される最悪のシナリオ」は習近平政権が恒大集団のデフォルト問題を放置し、金融システムの多大なストレスがかかり最終的には中国経済全体の減速させ、アジア全体に悪影響を与える。」というものだ。

 著者の論点において「誰にとって最悪」なのかという点がはっきりしていない。習近平と我々のような外国人(あるいは外国投資家)を混同している。

 我々外国人が困ることは必ずしも習近平が困ることではないし、外国人や中国人の投資家が困ることがそのまま6億人と言われる中国の下層階級の人達が困る話ではない。

 習近平は本気で中国不動産バブルを崩壊させるつもりでいる。その結果外国人投資家が困ることは何とも思っていない。さらに中国人投資家の破産はどうでもいいと思っている、むしろ彼の目的は中国人不動産投資家を破綻させることにあるのだ。

 だから外国人投資家や中国人投資家の破綻は習近平にとって真鍋氏の言うような最悪のシナリオではなく目的達成の喜ばしいシナリオなのだ。

 しかも6億人と言われる中国の住宅を持てない階層にとって不動産価格が下落することはもろ手を挙げて喜ぶだろう。

 不動産崩壊によって中国経済はさらに減速すると真鍋氏は言っている。確かに減速するだろうし、6億人の貧しい人たちの仕事がなくなるリスクもある。日本のバブル崩壊の後のような停滞が待っていると真鍋氏は言いたいのだろう。

 しかしそれも間違っている。日本がバブル崩壊後景気が低迷したのは必要以上の引き締めを続けたこと、財政支出をけちったこと、拓殖銀行破綻、山一証券破綻などのように金融システム崩壊を放置したことにある。明らかに日本政府と日銀の愚策の結果だ。

 習近平は不動産バブルを徹底的につぶすだろう。そして不動産であぶく銭を得ていた人たちのビジネスを徹底的に破壊する。外国人投資家が損をすることは何とも思わない、中国人投資家が損をさせることが目的だから手を緩めない。

 そしてバブル崩壊後の経済停滞については日本の失敗を学んでいるはずなので必要な所への財政支出と金融緩和を行い、金融機関システムを堅持するに違いない。

 つまり習近平氏は徹底的に不動産バブルを破壊し、その後経済を再構築する。そのことは外国人や中国人投資家にとって悪夢かもしれないが、習近平にとっては大成功を意味するのだ。

 ウイグル人を弾圧し、香港の自由を奪い、チベットモンゴルでも同様の抑圧政策をしている習近平中国共産党は悪の帝国だと思っているし支持するつもり全くない。

 しかし習近平の不動産バブルつぶし、つまり貧富の差が広がり過ぎて不動産をもてあそんで儲ける輩たちを地獄に突き落とすやり方は(残念ながら)正しい経済政策と言わざるを得ない。

2021年10月11日