ハマスに正義があるのかイスラエルに正義があるのか、あるいはハマスに味方するかイスラエルに味方するかは未来を予測するにはほぼ無駄な議論だ。これから述べるパレスチナ情勢の予想では触れない。この世の中は力で成り立っているというリアリズムの視点でひたすら現実を直視して今後戦況がどうなるかを予測する。
ハマスはイスラエルやアメリカを含む西側諸国はテロ集団だと報道しているが実は政党だ。
ハマスはガザ地区を拠点にするパレスチナの政党で、テロ活動だけでなく政治を行い学校や病院の運営などの行政も行っている。
イスラエルとの和平を望む穏健派ファタハ(ヨルダン川西側を拠点とするパレスチナの政党)などとは異なりイスラエルとの武力対立を鮮明にしている。
驚くことにハマスはパレスチナの選挙で第一党に選ばれた政党なのだ。
強硬派なので西側からの援助がなく資金をイランなどに頼らないといけない。
パレスチナの穏健派政党の指導者が西側の援助を懐に入れて腐敗しているのに対して、ハマスはそれがないのでガザ地区のパレスチナ人の支持は強固だ。
一方イスラエルのネタニヤフ政権は極右と呼ばれる政党との連立政権だ。
パレスチナへの入植(パレスチナ人を追い払い土地を奪取する)の再開、イランを敵とみなし直接攻撃するとの明言、サウジアラビアとの国交正常化の一方的停止、と昨年12月に政権が発足して以来矢継ぎ早に強硬路線を歩んでいる。
保守であるネタニヤフ首相は今回連立に含まれた極右政党に引きずられて内閣を乗っ取られている。ネタニヤフ首相はユダヤ極右の傀儡になってしまった。
イスラエルは国民皆兵で政府が戦争をすると宣言すれば一丸となって戦ってきた。過去4回の中東戦争ではイスラエル軍は士気の高さを示してきた。
だが今回は多くのイスラエル人がネタニヤフ政府の好戦的なやり方に不安を感じ、国外への移住を考えている。ユダヤ人にとって安住の地であるイスラエルが戦争の地になることを恐れてのことだ。イスラエル兵が今回どれだけこの戦争の大義を感じているのか私は疑問に思っている。
過去のブログで述べたが地上戦は歩兵の”根性”で決まるらしい。
ハマスの戦闘員の士気はイスラエル兵の士気に比べて少なくとも劣ることはないだろう。
2023年10月15日