イスラエルの反撃は何を目的にするのかが問われる。
10月7日ハマスの奇襲後イスラエルはミサイルや戦闘機での空爆ですでに空から見えるハマスの軍事拠点と思われる施設と幹部の私邸を瓦礫にしたはずだ。
陸上部隊を進軍させてもガザ地区には破壊するハマスの目標がすでにない。
ハマス戦闘員は軍服を着ていない(便衣兵)ので目標が見えない。民間人と区別がつかないものから狙われその結果民間人を無差別に銃撃するしかなくなる。
ハマス軍を瓦解させるには民間人を含めたパレスチナ人全員を殺さないといけないことになる。
大規模な陸上作戦の目的がガザ地区のパレスチナ人の抹殺であるとするならば、アラブ諸国とイランの参戦は間違いない。そして二分している世論は一気にパレスチナ側になってイスラエルは孤立することになる。
イスラエル連立政権の極右閣僚達がパレスチナ人の大量虐殺を心の底で望んでいるかもしれないが実際には無理だろう。となるとイスラエルの陸上部隊の目的はガザ地区からパレスチナ人を追い払う作戦となる。
24時間以内にガザ地区の東部から退避するように勧告しているが、多くのパレスチナ人は避難していないようだ。
一方でハマスの目的は明快だ。
いかに多くのイスラエルに与えるかだ。
イスラエルの戦車、装甲車、歩兵、を一台でも多く破壊し、一人でも多く殺すことだ。
先のブログでイスラエルの猛烈な反撃が予想され負ける戦いをどうしてやったのかと述べた。だがハマスはイスラエルの反撃を予想して十分な準備をしている可能性がある。
ウクライナ戦争当初ロシア軍が歩兵の携帯ミサイルやドローンで大損害を受けたようになるかもしれないし、ガザの道路のあらゆるところに地雷がしこまれているかもしれない。
10月7日以後イスラエルは猛烈な空爆をしているが、陸軍の進軍は24時間後としさらにその後延期している。イスラエル軍進軍の目標目的が定まっていないのだろう。
イスラエルのガザ地区への陸上部隊の進軍は目標を明確したうえでハマスの抵抗を過小評価しないことだ。
2023年10月16日