ロシアのウクライナ侵攻後2年が経ちウクライナが不利になっている状況で今更こうするべきであったという話をするのは無駄なのかもしれない。
だがジレンスキーの外交はあまりにも稚拙であったと言わらるを得ない。
今後の日本の軍事外交を考える上でのジレンスキーの失敗を検証すべきだ。
そもそもウクライナはロシアとの関係が深く簡単に切れる状況ではなかった。
一つ目の事実として国民の2割~3割がロシア系住民であり、現在ロシアが実効支配している5州はロシア系g住民が多数を占めている。
二つ目の事実としてこの5州はロシアとの国境にある工業地帯でロシアとの経済的関係も深くウクライナ経済をけん引していた。
三つ目の事実としてウクライナ国民の5割がEUとの関係を5割がロシアとの友好関係を望んでいた。
民族的にも経済的にも国民感情的にもウクライナはロシアとの関係なくして生きていける国ではなかった。
ジレンスキーが望むようにウクライナが5州を取り戻しロシアの影響を受けない国家になったとしよう。
ウクライナ経済の中心であった5州は完全にロシアから切り離されウクライナ経済全体に影響し停滞する。
5州以外の農地ばかりだ。小麦やひまわりなどの作物が得られるがウクライナは完全な農業国家となる。その農業さえもアメリカの穀物メジャーの支配下になるのは時間の問題だろう。
そしてウクライナの男性女性は産業がないのでEUへの低賃金出稼ぎ労働者になる。
そもそもウクライナはロシア抜きで成り立たなかった。ウクライナのトップはロシアとの関係を続けながらEUとの関係を徐々に深めていかなくてはいけなかった。したたかにロシアと西側の間を綱渡りすべきだったのだ。
にもかかわらず大っぴらにNATOに近づいたのはジレンスキーの失敗だ。
2024年3月10日