ドラコの資産運用 織田俊夫

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BREXIT,困難が待ち受けるのは英国ではなくてEU

 2月1日英国はEUを正式に離脱した。

 2020年2月2日付産経新聞では「困難が待ち受ける英国」と今後のEUとの新たな関税条約を1年以内に結ばないといけない困難が英国に待ち受けるとしている。

 だが困難が待ち受けるのは英国ではなくEUだ。

 まず英国は新たな関税条約を結ぶのが大変だとしているが大きな問題ではない。

 なぜならばいままで関税がゼロだった訳だから今後もゼロで条約を結べばいいだけの話だ。関税ゼロで経済を動かしてきたEUと英国にとってわざわざ関税を設けるのはお互いにデメリットになる。EUが嫌がらせをしないならば、比較的容易に関税条約は結ばれるはずだ。

 英国はEUとの関税ゼロを勝ち取り、その上で独自に移民を制御できるようになり、英国はいいとこどりをすることができると考える。

 一方でEUは第二、第三の離脱国が出てくる可能性が高い。イタリア、スペインはEU離脱するかもしれない。すでにEU離脱を主張する保守政党が得票を伸ばしている。英国が順調にEUを離脱しそれが成功してくると各国のEU離脱保守政党がさらに力を得ていくものと考える。

 イタリア、スペインのようなEU内の大国の離脱だけでなく、ギリシャのような経済弱小国も離脱する可能性もある。

 今ギリシャはユーロに縛られていて貿易赤字を通貨を下落させることで調整することはできない。ギリシャEUから多額の助成金も受け取っているので簡単に離脱派しないだろうが、大国の離脱で助成金が減ったりすると離脱を真剣に考える可能性がある。

 このようにEUは2020年英国離脱を始めとして2030年までの間に分裂あるいは緩やかな統合になってくるだろう。今心配しないといけないのは英国ではなくEUだ。

 

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