ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

秋本議員の入札条件変更は不利な応札者の常套手段

 洋上風力発電をめぐり、秋本真利衆議院議員風力発電会社側からおよそ3000万円を受け取ったとされる事件が報道されている。

 風力発電会社の社長が、東京地検特捜部に対し、秋本議員への贈賄の容疑を認める意向を示していて秋本議員自身が事情徴収を受けるのも時間の問題だろう。

 入札は「ローエスト&クオリファイド」の考えで選定しないと不正が生まれる。

 私は過去にある時期海外の仕事だが、何度か入札を経験をしている。

 応札者(売り手)の一社が自分たちに有利なように入札者(買い手)に入札条件を書き換えてもらっているだろうという案件を何度もみた。

 点数制にして100点満点の内40点を価格、納期を40点、品質を30点と言うような評価基準にするのだ。すると応札者Aが一番の安値だったとしても満点の40点しかとれない。納期と品質の60点の部分で20点しか取れなければ合計60点になる。

 B社は価格で30点しかとれなかったとしても納期20点、品質20点の評価を得たら合計70点でB社の勝ちとなって受注できるというものだ。

 裏でお金が回っていたのかもしれないが私には分からなかった。

 多くの場合価格は高くてもいいから品質のいいほう(この場合だとB社)から買いたいと思っている場合だった。つまり政府の購入だから入札をしないといけない、でも一番安いところは品質が悪いから避けたいというものだった。

 だがこの点数制の入札は不正の温床になる。

 不正を避けるには「ローエスト&クオリファイド」で受注者を選ぶ方式を徹底させることだ。

 ローエスト、つまり応札された入札書類を開封して一番安いところに最初に契約交渉をする。そしてクオリファイド、一番安いところが要求された納期、品質などを網羅していたらそこに発注をする。

 もし一番安いところが要求された条件を網羅していなければ二番目が要求事項を満たしていたら二番目を落札者とするのだ。

 今回の風力発電の入札ではまっとうな「ローエスト&クオリファイド」の方式で選定が行われていた。三菱商事がダントツの安値を出して受注したのだ。

 一番安いと言うことは発電される電気は安くなり巡って国民の電気代は安くなる、三菱商事は要求された納期、品質を満たしているので価格以外で問題はなく、この時の日本政府のやり方は全く正しかったのだ。

 それを競争力のない風力発電会社が入札書類の書換という古臭い不正の常套手段で、しかも個人的に金銭のやり取りをして入札書類を書き換えたのが今回の事件の顛末だ。

 国会議員として断罪される話には間違いない。

2023年8月21日