1980年台のころ日本人とドイツ人の会話で「今度戦争するならイタリアを抜きでやろう」などという冗談があった。
第二次世界大戦はドイツ、イタリア、日本の三国同盟で戦ったが、イタリアは1943年早々にムッソリーニが失脚し、さっさと連合国側に寝返った。
1980年台アメリカとイギリスは不況だった。アメリカはベトナム戦争の後遺症で国が荒廃していた。イギリスはストライキが連続していて大英帝国お面影は全くなくなっていた。イタリアはヨーロッパの貧乏国で勤勉なドイツ人と日本人からすると成長は見込まれないと見られていた。
そのころ日本とドイツはアメリカに続く経済大国でアメリカ、イギリスが低迷していたため将来は日本とドイツだけで行けるという今では幻想とも思える未来が普通に語られていた。
だが日本はドイツとは絶対に組んではいけない。
もちろんドイツと組んで戦争をやることなど絶対に考えてはいけないのは当たり前の話だが、ドイツが日本と同じような国で人々が同じような価値観をもっているなどと考えてはいけない。
ドイツは日本とは根本的に違う。
ドイツは日本と同じく民主主義制度を導入していて日本と同じぐらい民主主義は定着している。だがドイツ人は時折とんでもない間違いを起こす。日本人には信じられないようなことをしでかすのだ。
それはナチスドイツを生み出したことが典型だ。ナチスドイツがクーデターを使って政権を掌握したのは事実だが、ドイツ国民の絶対的な指示を受けていて選挙でも多数を占めていたのも事実だ。ナチスドイツはドイツ国民が生み出したものだ。
現代もそこまで極端ではないが大きな間違いをしている。
それはエネルギー政策と移民政策だ。
今日はエネルギー政策だけについて述べる。
ドイツは過度な環境保護運動を進めてきた。石炭火力発電をやめ、原子力発電を止め、風力太陽光発電を促進し、天然ガス発電に切り替えてきた。
だが、今年の寒波でドイツは電力不足と電力料金高騰となっている。
しかもロシアのウクライナ侵攻危機でロシアからの天然ガス供給が危機に晒されている。だいたいNATOの仮想敵国であるロシアをエネルギー供給元としたこと自身信じられない。日本が北朝鮮から天然ガスを買うようなものだ。
そもそもドイツは北極圏に近いところにいちしていて冬は日が短い。夏至の頃は10時頃日が昇り16時にには日没している。しかも零下になる日は多く、そんな環境において太陽光発電に頼るエネルギー政策をするなど国家の自殺行為だ。
日本人ならここまで極端な決断はしない。むしろ日本人は曖昧なことをして失敗するのだが、ドイツ人は極端に走ってしまうのだ。
ベンツ、BMW、ポルシェを見てドイツ製品は素晴らしいと思うのはいいとして、ドイツはとんでもない間違いを今も昔も繰り返していることを知っておくべきだ。
2022年1月31日