アメリカは中近東のイラン、欧州のロシア、アジアの中国、と3つの仮想敵国と対立している。
第二次世界大戦でイギリスが没落した後アメリカは半世紀にわたり世界の強大な覇権国となり3つの仮想敵国と対峙し3つの敵と同時戦う力があった。
その後他の国々が戦争の破壊や貧困から立ち上がり経済発展してきたためアメリカの地位は相対的に下がり21世紀に入りアメリカは3つの仮想敵国と同時に戦う力を無くしてしまった。
アメリカの絶対的優位性を補うための外交が重視されないといけないのだが、安倍元首相が提唱したインド・太平洋構想はまさにそれだった。
だがアメリカにはネオコンと呼ばれる戦争屋がいて賢くしたたかに外交することを拒否しむやみに戦争を仕掛け結果としてアメリカの体力を削いできた。
共和党のブッシュ・ジュニアがありもしない大量破壊兵器で言いがかりをつけてイラクを崩壊させフセイン大統領を傀儡政権のもと死刑にしている。民主党のクリントン、オバマはアメリカへの敵対を止めると宣言したリビアのカダフィーを革命で殺し、中東で数多くの武力革命を起こさせて民主的に選ばれた政府を転覆させた。
強い国に対して弱い国は同盟する、と言うのはルトワックが言う地政学的な常識だが、好戦的で軍事力に勝るアメリカに対し弱い国である中国、ロシア、イランは同盟しようとしている。
アメリカはウクライナでロシアと戦い、今ハマスのテロをきっかけとしてイランとの熱い戦いが始まろうとしている。イランとイスラエルが戦い出せばアメリカはウクライナとイスラエルに同時に軍事支援しなくていけない。
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平が首脳会談を計画している。
日本のマスコミはエネルギー資源の中国への供給と工業製品や武器のロシアへの供給が話し合われるとだけ言っているがそんな生易しい話ではない。
この機会をみて中国ができるかどうかはべつとして台湾制圧に乗り出すことでアメリカに3正面の戦いに引きずり込む企みを話し合うはずだ。
ハマスのテロ攻撃はめぐっては日本の防衛に悪影響があることを日本のマスコミは報じていない。
2023年10月13日