イスラエルは中東で孤立している。
西はエジプト、東はヨルダン、シリア、北はレバノン(キリスト教徒もいる)と三方をアラブ諸国に囲まれている。さらにサウジアラビア、イランもイスラエルの敵で建国以来イスラエルは四面楚歌の状態にある。
厳しい状況下でも存続してきたのは、強力な軍隊とシオニズムに代表されるナショナリズムとアメリカの支持のお陰だ。
イスラエルは世界レベルでも友好国が多いわけではない。
世界中のイスラム諸国はパレスチナの味方だ。日本にとって身近なインドネシア、パキスタン、マレーシアはイスラム国なのでイスラエルのお友達ではない。
驚くかのしれないが、マレーシアにはパスポートにイスラエルのビザがあると入国できない。マレーシアはイスラム国家なので不法に土地を占拠して建国したイスラエルを許さないのだ。
ロシアもイランとの関係があるのでイスラム寄りになる。
ユダヤ人が多くて政治経済に影響力が強いアメリカとアメリカの同盟国であるNATO諸国と日本だけが世界でイスラエルの味方と言ってもよい。
国ではないがユダヤの力が強い西側のメディアもイスラエル親派だ。
これが10月7日ハマスのテロ攻撃以前の状況だ。世界の遥かに半数を超える国が反イスラエルと言っていい。
ハマスのテロ攻撃が西側メディアによって報道されていて日本の立派な保守系評論家までがハマス”悪”、イスラエル”善”の論評をしている。情けないというか、本当にナイーブ(単純なバカ)だと思う。
今後のイスラエルの地上作戦が始まればパレスチナ民間人に多大な被害が出て世界の過半数が猛烈な非難を始めるだろう。
イスラエルはゴラン高原のヒズボラ、シリア、イランの参戦に対処しなくていはいけないことになる。
さらにアメリカはウクライナ支援さえも議会混乱で十分にできない状況にあるわけでイスラエル支援まで手が回らない状況にある。
初期の情報戦で敗れ、地上にある攻撃対象がすでに破壊されてなく、何をすれば勝利なのか地上作戦の目的が曖昧で、ハマスの猛烈な抵抗が予想され、兵器が今までのように役に立たずイスラエル兵の損失が予想され、奇襲を受けて準備ができていない状況で、世界の支持どころかアメリカの支援さえ不安でほぼ孤立していて、ヒズボラ、シリア、イランの参戦があり得る状況でイスラエルは簡単に地上作戦を行えない。
バイデン大統領がイスラエルに行くいかない取っているが、おそらくイスラエルは本格的な陸上作戦を一か月はできない、つまり延期したのだと考える。
2023年10月18日