ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

ドイツから手を引くべき ユーロ崩壊とドイツ その2

 ドイツは単一通貨ユーロでユーロ圏内だけでなくユーロ圏外への輸出でも利益を得ている。

 ドイツマルクであった場合ドイツは貿易黒字が出るとそのまま影響が出てマルク高になり輸出が難しくなる。

 だがユーロであればユーロ圏内にドイツとは反対にギリシャなど効率の悪い国があるのでドイツの貿易黒字はギリシャなどの貿易赤字で相殺されることになる。このことによってユーロ高は抑えられることになる。

 マルクよりもユーロの方が通貨高にならないのでドイツの輸出企業にとって恩恵がある。

 別の言いかたをすればもしドイツがユーロを採用していなければドイツの大きな貿易黒字がそのままドイツマルク高になってドイツからの輸出は今よりも難しくなっていたということだ。

 ユーロ圏外との貿易においてドイツは効率の悪い国々を含めたそれほど強くならない通貨ユーロのおかげでドイツ製品を安くアメリカや中国に輸出ができているのだ。

 イギリスはもともとユーロには入っていたなったのでイギリスのEU離脱によって為替が変化することはない。しかし今後ほかの国が離脱してユーロがあやしくなってくるとドイツが享受してきたユーロのメリットを利用することができなくなる。

 もちろんそれは今年の話ではなく10年単位で生じることだと考えておいたほうがいい。

 ドイツがEU諸国の中でユーロに最も恩恵を受けていることは確かだ。EUの分裂崩壊が始まった今ドイツの幸運は不幸はオセロゲームのように裏返っていくに違いない。

2020年7月5日