ドイツは中国にどっぷりつかっているので投資は危険だ。
コロナウイルス以前からドイツは中国経済と深い関係にある。それは日本が中国に深入りしている以上に深刻なものだ。
日本はアメリカの圧力もあり5Gにおいてファーウェイを採用しないことにしている。イギリスも同様にアメリカに協調してファーウェイ採用は止めた。
ファーウェイが中国共産党と深く結びついている、というよりも中国共産党そのものの企業であることは誰の目にも明らかだ。ところがメルケル首相はファーウェイ採用をそのまま続けることにした。
ファーウェイを採用するということは米国と中国が戦争になった際にドイツはすべての情報を中国に抜かれることを意味する。
またドイツを代表するフォルクスワーゲンにとって中国は大きな市場だ。日本を代表するトヨタも中国は大きな市場だが事情がやや異なる。
もしトヨタが中国で電気自動車などの技術を中国に手渡すようなことをしてアメリカ政府に睨まれたらトヨタは大きな米国市場を失うことになる。
しかしフォルクスワーゲンのアメリカでの市場は限られている。実は欧州車はアメリカでのマーケットシェアはそれほど大きくない。フォルクスワーゲンにとって当然アメリカよりも中国のほうが大事になる。
実際に数年前フォルクスワーゲンがディーゼル車の排ガス規制で不正をして存亡の危機に立たされた時、中国では規制がなかったため中国の販売に力を入れて危機を乗り越えている。
私もいままでドイツ企業と何社か付き合ったことがあるが、彼らの頭の中には日本市場よりも中国市場、民主主義よりも金儲け、という考えがあることに何度か驚いた。
今後米中対立がさらに深刻化する状況においてドイツは間違いなく中国側あるいはあいまいな立場をとるに違いない。そうするとアメリカとドイツの関係は悪化することになるだろう。
今後アメリカはドイツ在のNATOアメリカ軍を削減することになっているし、ロシアからパイプラインを引いて天然ガスの供給を受けることになっている。
このことからドイツはアメリカ、イギリス、日本、インド、オーストラリアで形成されていく自由、民主主義、基本的人権の価値観をもつグループから距離を置き中国、ロシアに近づく外交を進めて行くにちがいない。
米中対立が中国の勝利にお様あるのであればドイツの経済にとってよいが、中国が負けることになるとドイツは経済に大きな打撃を受けるだけでなく西側諸国の政治的信頼を無くすことになる。
2020年7月6日