ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

ドイツから手を引くべき ユーロ崩壊とドイツ その1

ドイツへの投資はもうやめておいた方がいい。

最初にEUは確実が分裂、崩壊の方向に進んでいるからだ。そしてEUで一番利益を得ていたのはドイツで、EUの解体となると逆にドイツがもっとも被害受けることになる。

EUの多くの国で単一通貨であるユーロを使っている。
2000年に統一通貨ユーロを導入し大方の国は自国通貨を廃止してユーロ圏に入った。

ユーロは通貨が違うというわずらわしさから欧州を開放した。一見いいことなのだがユーロには根本的な欠陥があった。

それは為替調整ができない点だ。
通貨が異なると経済効率のよい競争力のある国の通貨は価値が上がり、経済効率の悪い競争力のない国の通貨が下がる。ユーロ以前ドイツは経済効率がよいのでドイツマルクは価値が上がり、経済効果の悪いギリシャドラクエは価値が下がる。

ドイツはマルク高で物価や所得が相対的に上がり。一方でギリシャドラクエ安で物価や所得が安くなる。実際ドイツ人がギリシャを旅行すれば安く感じ、ギリシャ人がドイツに行けば高く感じることになる。

しかし通貨が異なると為替がこれを調整することになる。

所得が高くなったドイツ人は物価の安いギリシャに旅行に行きお金を落とし、ギリシャ製品を買ったり労務費の安くなったギリシャに企業は工場を建てたりする。これでギリシャは景気が良くなりドラクエの下落に歯止めがかかり貿易収支も改善する。

一方でドイツはマルク高でドイツ製品が高くなる。ドイツ製品の輸出が難しくなり輸出が減少し国内で作るより海外から買ったほうが安くなるので輸入が増える。景気は頭打ちとなり、貿易収支黒字も抑えられることになる。

しかし単一通貨となるとこの調整機能が働かない。

ドイツ製品は競争力があってギリシャはそれを購入することになる。ギリシャ製品は競争力がないのでドイツに輸出することができない。同じ通貨なので通貨の下落でギリシャ製品が安くなることはなく、ギリシャ労務費は安くならないのでドイツ企業がギリシャに子会社を作ろうとはしない。

結果としてドイツのギリシャ向け輸出が増大しギリシャのドイツ向け輸出が減少し結果としてドイツの貿易黒字、ギリシャ貿易赤字となる。

当然ギリシャ政府も不景気で歳入減少となり赤字となる。EUの中心国であるドイツは財政赤字を出すなとギリシャ政府に圧力をかける。ギリシャ政府がその圧力に屈して歳出を削減するとますますギリシャは不景気になる。

困ったギリシャにドイツはEUを通じて支援をしてやるともったいぶって言うことになる。こうしてEUでは政治的発言は経済システム上有利なドイツが力を持つこととなる。

ユーロのような共通通貨の場合、為替の調整がないのでドイツのような効率の良い国がどんどん勝ち続けギリシャのような効率の悪い国が負け続けることになる。

EUの解体が進みユーロを離脱する国が増えてくるとドイツはユーロ圏内で受けていた単一通貨のメリットが無くなっていくことになる。

ドイツに対するユーロの恩恵はこれだけではない。

2020年7月4日

 

投資はご自分のリスクとご判断でお願いします。