不動産価格は人気で決まる。
今更当たり前の話だがちょっと考えてみよう。
難しい言い方をすれば需要と供給で決まるのだが、同じことを簡単に言えば人気があるかどうかで価格は決まることになる。
この人気は何で決まるかと言えば宅地の場合人々が住みたいと思うかどうかだ。住みたいと思う人が多ければ価格は上がる。いくら宅地開発が立派にできたとしても人が住みたいと思わない限り価格は下がることになる。
この住みたいか住みたくないかという感覚が不動産見分けのもっとの重要なものさしだ。
1980年後半バブルの時期に私は通勤時間1時間の区分マンションを買おうか迷っていた。毎月土地価格が上がっていく状況で早く買わなければ一生マンションを買うことが出来なくなると思われていた時代だ。今となってはその後バブル崩壊がそのあとに来ることを知っているが、当時土地価格が下がるなどとは誰も思っていなかった。
当時若いサラリーマンが買えるのはそんな郊外1時間の60平米の物件しかなかった。
結局私は買わなかった。その理由は都心まで1時間以上で回りは畑が広がっていて広さは60平米、価格は5千万円していたが一生かけて返済するにはあまりにも淋しい物件だったからだ。住まいがどうしようもなくなれば田舎に帰ればいいと思っていた。本当に運よく買わなくてよかった、その後バブルは崩壊してマンション価格は半分になった。そのマンションを見た時どうしても住みたくなかったのだ。
結局のところ自分の感性を最大限にきかして常識をもって不動産を見て住みたいかどうか考えればいれば価格が安いか高いかが分かってくるのだと思っている。
他にもある。海が綺麗でヨットハーバーがあって屋上でバーベキューもできる三浦半島の物件だった。とはいうものの東京までの通勤に1時間半以上の時間がかかる。しかも当時同じ住宅街で10戸以上が売れ残っていた。だが私の感性では「買い」だった。結局最近のテレワークにぴったりの物件となった。
自分自身が住みたいような物件であるかどうか投資物件であっても感性を研ぎ澄ませて考えてみるのが失敗をしないための一つの方法かと思う。
2020年9月13日