3月20日宮城県福島県が震度6強の地震で東北新幹線が脱線した。そして20本以上の構造物の構造物に被害があった。
私は復旧に相当な時間、少なくともゴールデンウィークまでは東北新幹線は動かないのではないかと考えている。
私は技術者ではないが、長らく製造業に携わっていて不良や事故の経験があるが、その常識からすると今回の脱線事故はただならぬ事象だと考える。
JR東日本も現時点で3月中の運航再開は無理で場合によっては月単位での復旧になるとしていて長期化をほのめかしている。
理由は以下の通りだ。
まず脱線した原因、メカニズムを明確にしないといけない。これなくして脱線防止の対策が取れない。
今回の脱線はJRにとって相当ショックなものではないかと想像している。JRは震度6強では新幹線は脱線しないと考えていたに違いない。
過去の地震の経験を活かして徹底した地震安全対策をしていたにも関わらず、予想外に脱線事故が起こってしまったのだ。
ならばその原因を明確にしないといけないがこれには相当の時間がかかる。
次に20か所以上の破壊された構造物を修理するのは大変な作業になる。単なる修理では済まないはずで、全くの作り変えをしないといけないはずだ。
明らかに破壊されたものが20か所であれば、小さな亀裂などが入っている構造物は何倍、何十倍もあると考えなくてはいけない。小さな亀裂が入っていたとしたら次の地震で崩壊することになる。
構造物すべてのチェックをやったうえで修繕を完了するのは年単位の作業になる。補修レベルをつけてある程度まで出来たら運転再開と言うことになるのだろう。
三つ目として東北新幹線は2011年の大地震もあり、何度も揺れていて構造物に疲労が溜まっていると見たほうがいい。
構造物の疲労を評価するのは新たな理論が必要なはずだ。一度の地震に対する耐震理論は確立されていても二度、三度の地震で構造物がどのように破壊されるかは分かっていないのではないだろうか。
昼間であればもっと多くの車両が脱線していたであろうし、揺れがもう少し大きければ人身事故になっていたかもしれない。
今回JRには予想できなかった事故だったはずだ。予想できなかった事故は新たな発見でもあり、新たな技術開発につながる。
JRには徹底した対策を期待したい。
2022年3月20日