ドラコの資産運用 織田俊夫

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イラクのフセイン大統領を思い出す、その2

 イランもイラクも多くの国民はイスラム教を信じて同じ中東諸国に分類されているので一般の日本人には区別がつかない人も多いのではないだろうか。

 イランは多数がペルシャ民族でイラクはアラブ人が8割(2割弱がクルド族)と言うのが大きな違いになる。

 1978年イランで王政を倒すイスラム革命があった。その後在テヘランアメリカ大使館が選挙され職員と家族が1年以上にわたり人質にされるという事件が起こった。

 人質は最終的に開放されたものアメリカとイランの敵対関係は決定的となものとなり現在に至っている。

 その後イラクフセイン大統領はイランに戦争を仕掛け1980年~1988年の8年間続いた。

 私がイラクを度々出張で行っていたのは後半の1995年~1990年ぐらいだ。

 アメリカは大使館人質事件以後イラン憎しであったのでイラクを支援していた。

 私は中東担当だったので敵対するイラクともイランとも仕事をしていた。

 日本もアメリカの外交方針を受けてイランに対する輸出規制はイラクに対するものより数段厳しかった。

 イランが敵国だから他の国を支援する、と言うのは今のロシアが敵国だからウクライナを支援する、と言うのと同じだ。

 1990年だがその支援していたイラクがこともあろうかクウェートに侵攻する。アメリカにとっては裏切り行為だ。

 当時イラク産油国であったがイラン・イラク戦争で金を使い果たしていた。クウェート侵攻は単なる原油の金目当てであったと私は見ている。 

 これはクウェートの石油利権のあるアメリカを怒らせることになって、湾岸戦争が勃発しイラククウェートから撤退。その後2003年イラク戦争フセイン政権は倒され、フセイン自身は死刑になっている。

 今アメリカは全面的にウクライナを支援している。

 おそらくだいぶん先のことになると思うが、ウクライナが勝利してロシア軍が撤退するか、あるいは一定のラインで停戦が成立するかするだろう。

 平和になったウクライナは果たしてアメリカの言うことを聴く政府になるのだろうか。少なくともイラクではそうではなかった。

 ジレンスキー大統領が親米派であってもその下にいるアゾフ大隊などの組織はどんな行動を取るのだろう。

 ウクライナ政府やアゾフ大隊などは国内にいる2割以上のロシア民族に弾圧を加えないのだろうか。少なくともプーチン大統領ウクライナ政府のウクライナ領ロシア人に対する弾圧阻止を戦争目的としている。

 イラクの歴史を見ると、ロシアとの停戦がそのままウクライナの人々に平和をもたらさないと危惧している。

2022年5月8日