1991年~1996年まで私はヨーロッパにいて良くフランスに行った。
出張の何よりの楽しみは食事で、お客さんが食事に誘ってくれることもあれば自分で一人街に繰り出すこともあった。
あるビジネスパートナーがパリのオイスターバーに連れて行ってくれた。
パリは観光客が多いのでオイスターバーはけっこうあるので自分で何度か行ったことはあった。
だがその時のオイスターは初めての経験だった。
席に着くとビジネスパートナーは1ダースのオイスターを注文する。そしてワインを注文し、パンも忘れずに持ってきてほしいと言う。
「日本人はシャブリが好きだよね」と言って白ワインであるシャブリを注文してくれた。
かれはパンに一杯のバターを塗っている、そして生のオイスターを載せて、塩と胡椒を一振りする、そしてぐにゃりとパンでオイスターをU字型に挟み込んで私の目の前に出した。
「これが一番うまいんだよ、」と私に差し出す。
私はそれを受け取って口に頬張ると、旨い。
オイスターの濃厚な味がバターでさらに深くなっていて塩味が効いていて酒の当てに最高だ。
「一番うまい食べ方なんだが、一番下品な食べ方ともいわれている。」と彼と笑った。
その後フランス人の彼のうんちくは続く、
「もともとはパリの労働者の食い方だ、みんな上品になってやらなくなったけどオイスターはこの食い方が一番うまい。」
いい生ガキが手に入ったら一度お試しあれ、
コツは無塩バターを使うこと。最近は簡単に手に入るようになったがない場合は塩は軽めがいい。
2022年6月19日