ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

映画「オフィサー・アンド・スパイ」を観てきた

 映画「オフィサー・アンド・スパイ」を観てきた。

 高校の世界史を取った人なら知っているドレフュス事件のノンフィクション映画だ。

 1894年フランスの将校ドレフュスがスパイ容疑で逮捕され終身刑を言い渡される。1994年と言えば日本は明治時代で日清戦争の年だった。

 ドレフュスはアフリカの孤島ディアブル島(悪魔島)に流される。その後真犯人が浮かび上がるが、軍、政治家はいったん結審した裁判を覆すのを嫌がる。ドレフュスはユダヤ人であったため差別をされ、フランス国民の多くはユダヤ人に反感を持つ反ユダヤ主義でドレフュスは有罪だ、国賊だと罵られる。

 誠実な仲間、非ユダヤ人とユダヤ人、とともに何十年もかけて無実を晴らしていうストーリーだ。

 高校の教科書にユダヤ人が載っているのは紀元前の「イスラエル王国」「ユダ王国」とキリストがユダヤ人であったということのあとぱったりと記載がなくなる。そして20世紀になってフランスのドレフュス事件となり、ナチスホロコーストバルフォア宣言に基ずく1947年のイスラエル建国となっている。

 キリストの死後からドレフュス事件までユダヤ人は日本の歴史教科書に現れない。

 だがユダヤ人は私がアントワープでみた通り明らかに存在するのだ。延々脈々とユダヤ人は世界の歴史の中で生き、影響力を与えてきたのだ。

 歴史教科書にユダヤ人が出てこないのは単純に国家を持たなかったからだろう。だからと言って彼らが世界政治での影響力は一国をはるかに上回るものがあったと言っていい。

 16世紀のスペインの興亡はユダヤ人がもたらしたとも言えるし、オランダの繁栄もユダヤ人が影響を与えている、ニューヨークはもともとオランダ植民地時代にユダヤ人たちが金融業を営んでいた街だ。

 ユダヤ人の世界への影響を説明しだすと、ディープステイトを信じるのかとか変な目で見られることがある。私はユダヤ人の間にディープステイトからイメージされる組織だった団体があるとは思っていない。しかしユダヤ人がアメリカや帝国時代のイギリス、フランス、スペイン、オランダと同じぐらいの影響力があったと考えている。

 我々は日本の教科書に書かれていないユダヤ人の歴史を勉強するべきだと思う。多くの世界史の謎が解ける。そして今もユダヤ人は世界の政治経済社会学問の世界で大きな力を持っているのだ。

2022年6月18日