ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

魚料理にもやっぱり赤ワイン

 これもまたフランスのお客さんにご馳走になった話だ。

 美味しいドーバーソール、舌ヒラメ、の店があるから行こうということで行った。

 小麦粉をつけてバターでパリッと茶色く焦げ目をつけて焼いた舌ヒラメにレモンを掛けて食べるのは最高に美味しい。

 彼がウェイターに注文をする。

 そして「魚に白ワインと言うが、私は赤ワインを飲む、だから君に白ワイン1本、私に赤ワイン1本」といって私に有無を言わさずに2本のボトルを注文してしまった。二人で二本は少々多すぎると思ったがもう飲むしかない。

 舌ヒラメが来て、。

「魚に白ワインと言うけど白ワインも魚には合わない、みんな分かっているのに魚を食う時に白ワインを飲んでいる。そもそも赤ワインも白ワインも魚料理には合わないんだ。」

と言う。

「魚料理とワインの正しい飲み方を見せてあげよう」と言って彼は一口パンをちぎって口に入れた。

 そして赤ワインを飲む、そしてパンを食べる、そして魚を食べる、そしてパンを食べる、そして赤ワインを飲む。

 この繰り返しらしい。

「口の中をパンで掃除してから魚を食べ、またパンで掃除してから赤ワインを飲めばいい。」

「そもそも白ワインはうまくない、赤ワインこそワインだ。一生に飲める本数は限られている。僕は全部赤ワインが飲みたいんだ。」

 最初は変わり者のフランス人もいるものだと思った。

 しかし真似をして実際にやってみると魚料理とワインを口に運ぶ間にパンを挟めば赤ワインの苦みと魚料理の生臭さが混じることがなく、両方がそれぞれ楽しめる。

 彼の言葉で白ワインの味がないように思うようになってしまった。そしていつのまにか白ワインを飲まなくなってしまった。

 家にあるのは台所にある料理用の白ワインだけだ。ワインを飲むときは肉料理は当然魚料理でもひたすら赤ワインを飲み続けている。

 彼は変わり者のフランス人だと思ったが私も変わり者の日本人になったようだ。

2022年6月20日