ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

いきなりステーキ不振はビジネスモデルの限界

 いきなりステーキの業績が振るわない。

 店舗を急激に増やし客の取り合いになったのが原因だと専門家は分析している。

 しかし、私はいきなりステーキの業績不振はビジネスモデルが限界に来ているからだと考える。

 いきなりステーキの競合はスーパーだ。

 いきなりステーキは1グラム6円とか9円とかいうことで安さを強調しているが、スーパーの表示にすると1グラム600円、1グラム900円になる。

 今スーパーでは100グラム200円台の輸入牛肉がある。100グラム600円だとかなり高級な部位になる。いきなりステーキは当たり前だがスーパーに比べると安いとは言えない。

 ステーキは簡単に家庭でできる。冷蔵庫から出して塩コショウをして表裏それぞれ2分フライパンで焼けばそれでステーキは完成する。ちょっと調理をしたことのある人なら難なくできる料理だ。

 またいきなりステーキはフレンチレストランのようにゆっくりと食事を楽しむように最初から設計されていないのでスーパーの肉を焼くことに比べて付加価値がない。

 サラリーマンの昼食定番であるトンカツ、ラーメン、寿司は家庭ではできないし、できたとしても店のように美味しくできない。

 おそらくいままでいきなりステーキを利用してきた人たちは料理をあまりしたことのない男性、あるいは一人暮らしの人だったはずだ。

 いきなりステーキの不振はスーパーで肉を買って焼けばいいということがだんだん消費者にバレてきたのだ。しかも最近のコロナウイルスで家で料理をする機会が増えた。男性や一人暮らしの人もスーパーに行って肉の値段を見ている。料理をしなかった男性や独身者は料理を一番簡単なステーキで始めているはずだ。

 いきなりステーキの未来は暗いと言わざるを得ない。

2020年4月5日