60歳を超えて楽器を始めたのだが、おそらく約50年ぶりに音符を読んでいる。
五線譜の音符ドレミは分かるが瞬時にソなのかシなのかが分からない。
2オクターブ上になるとさらに分からなくなるし、五線の上の高いソラシドレミファになると一二三と数えないと読めない。そしてすべての音符にカタカナでドレミファソラシドを書いている。
そんな典型的な定年退職老人音楽初心者ではあるが、日本の義務教育ではきちんと音符が読めるようになっていることは誠にありがたいことだ。
海外では音楽、美術、体育、などの時間がない国や学校が結構ある。おそらく明治維新の時に富国強兵には音楽、美術、体育も必要だと考えた立派な教育者たちがいたからだろう。
だが一方で基本的に音楽の教育方針が明治時代と変わっていないのではないかと思う。
唱歌や校歌を沢山歌わせるのはいいしハーモニカやリコーダーを学ぶのもいいが、それは金のない明治の頃の話、もう少し労力と金をかけるべきではないか。
義務教育の間に一つ楽器を選ばせて勉強させるということを文部科学省にはやってもらいたい。
世の中にはたくさんの音楽学校があって多くの卒業生がいるがなかなか音楽だけで生計を立てるのは難しいらしい。一流のピアニストでも仕事に困る人がいると聞く。
私のサックスの先生は吹かせたら部屋ににジャズのスウィングが響き渡る、ほれぼれする音を出す、でも小中学校では教えていない。
そういう人たちを小学校や中学校に教師として雇用する、部活の指導者として有償で招くということはできないのだろうか。
こどもたちが義務教育の間に一つの楽器ができるようになればそれだけで人生は楽しくなる。
彼らは大人になってピアノを買いサックスを買いギターを買う。そしてもっとうまくなりたくてレッスンを受ける。需要が増えて経済が発展する。
サラリーマンのオジサンが接待でカラオケに誘うのもいいが、ビジネストークの合間に何の楽器をされているんですか、今度ジャムりませんか、と言うような会話が日本のあちこちでできれば仕事も人生も楽しいし、経済成長もする。
英語ができなくても音楽ができれば世界の人達と仲良くなれる。今はインターネットで場所が離れていても一緒に演奏できる。バンド仲間に必ず日本人がいるような世界になるかもしれない。
もし中学校の時に今習っている先生に3ヶ月でもいいから教えてもらっていたら専門家になれないにしても音楽と一緒で人生楽しかっただろうにと思う。
60歳の爺さんが1年間で学ぶことを小中学生は3か月で出来てさらにうまくなるはずだ。
小中学校の先生たちの壁を崩して、民間の専門家を音楽の授業と部活に注入するシステムを作るべきだ。
2022年8月23日