ドラコの資産運用 織田俊夫

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ロシアは冬を待っている、ロシア専門家は騙されている?

 ドネツク州リマンを奪還しウクライナの反撃攻勢が始まった、とニュースは伝えている。

 ロシア専門家たちはウクライナは反攻に出ていてロシア軍が苦境に陥っている、その証拠にプーチン大統領は予備役兵の招集をしている、としている。

 だが本当にロシア軍は苦境に陥っているのだろうか。専門家たちが言うようにウクライナ軍はアメリカやNATO諸国からの最新鋭兵器で反撃に出てるのだろうか。

 それは単に専門家たちがプーチンは悪者だ、だから負けないといけない、という思いからの希望であって間違った見方だと私は思っている。先のブログの通りロシア専門家は過去こととごく間違った予想をしてきた、今回も間違っているだろう。

 まず現実を見て見よう。

 ロシア軍はウクライナに侵攻し北部では撤退したものの、併合宣言した東部4州とクリミアは今もほとんどの地域がロシア勢力下にある。ロシアはウクライナ侵攻2月24日よりも領土を増やしたのだ。これが現実でウクライナは負けているのだ。

 西側メディアは4州併合を繰り返し報道しているが、これはNATOアメリカにとってショックだった証拠だ。

 予備役兵招集は兵員不足だからだと言われているが、ウクライナの方こそ兵士が十分いるか疑問だ。戦争が始まってから7ヶ月になるが、西側から最新鋭の兵器の供給があるのにウクライナ東部を奪還できていないのはウクライナ側の兵員不足である可能性が高い。

 ロシア側は兵員が不足していると専門家は言うが、西側からのウクライナへの兵器供給は制限されている。

 十分な兵器と兵員があれば今頃4州を奪還しているわけでウクライナも兵器も兵員も不足していると見るべきだ。

 これも先のブログで述べたがプーチンは狂人でもなければ病人でもない。冷徹で狡猾な愛国者だ。

 そんな彼になったつもりで何を考えているか想像すべきだ。

 プーチンは冬を待っている。

 いままで7ヶ月の戦いは夏だったことを我々は忘れている。冬になれば地面化凍り固まりロシア軍が得意とする機甲部隊が動けるようになる。今までよりもロシア側が有利になる。

 寒くなれば兵站がさらに重要になる。飛び地の占領地など無駄以外のなにものでもないし、守りに徹するならば戦線は短い方がいい。最近のロシア軍の撤退は負けているのではなく、戦略的に退却していると見たほうがいい。

 冬になれば欧州諸国はエネルギー危機がさらに深刻になり燃料価格の高騰が国民の生活を圧迫することになる。当然NATO諸国の国民は政府に停戦への圧力をかけることになる。

 ウクライナに冬が来ればウクライナ軍は動けず、NATO諸国の足並みは乱れ、4州をロシアの領土とする停戦への道が開かれることになる。

 ナポレオンはモスクワを落としたにも関わらずロシアの冬に負けたと言われている。ヒトラーもロシアの冬に負けている。いずれもロシアは撤退しながら相手が消耗するのを待った。三度目の冬の勝利をプーチンは狙っていると考えたほうがいい。

2022年10月6日