フランス大統領候補のペナン氏が当選したらロシアプーチンに歩み寄りをする、NATOからは脱退をすると言っている。
日本人からすれば、毎日巨悪人プーチンが連呼されるマスメディアのニュースを聴いていればペナン氏の主張は尋常ではなくてやはり極右だとレッテルを貼ることになるだろう。
しかしペナン氏が主張していることは欧州人にとって当たり前のことを言っていて本音なのだと私は考えている。
そもそも今回のウクライナ戦争はロシアとアメリカの戦いであって欧州の戦争ではない。欧州諸国はそもそもロシアと対立するつもりはなかったし、ましてや戦争などするつもりもなかったのだ。
理由は以下の通りだ。
ロシアから天然ガスを大量に買っているのはドイツだけではない。欧州諸国の多くがロシアからパイプラインを通して直接ガスの供給を受けているのだ。
戦争をするかもしれない国から燃料供給をうけるなどお花畑にもほどがあると多くの人(私も含めて)が呆れている。
だが逆に言えば欧州諸国はロシアと戦争をするつもりが全くなかったと言っていい。
さらにNATOの欧州諸国はウクライナのNATO入りを明確に拒否してきた。
それは欧州諸国がウクライナはロシアの兄弟国であることを十分承知していたからだ。NATO軍に入れようとすればロシアが猛烈に反発することは明らかだった。またウクライナがNATO軍にはいればウクライナ軍には親ロシア派も多くいるので味方に敵が入り込むことになることを恐れたからだ。
またロシアのクリミア併合、東ウクライナ軍事侵攻だが、この地域はロシア人人口が多く、また歴史的にもロシアであった時代も長い。このことを欧州人は知っていたので制裁は限られるものになっていた。
現地で住民投票が行われて賛成多数となった、不正だという声もあったが真剣に国連監視のもとに住民投票をやれという主張は西側諸国からはなかった。それはきっちりと住民投票をすればロシア併合賛成が大多数で大きく過半数を上回ることがあきらかだったからだ。
かようにドイツ、フランスはロシアを友好国とまではいかなくても戦争をする相手ではないと決め、NATOも防衛に専念し、ウクライナやベラルーシはロシアの兄弟国家、ロシア側諸国とみなし、スウェーデン、フィンランドは完全に西側諸国の経済文化思想ではあるもののNATOに入らないことでロシアを刺激しないようにしてきた。
欧州諸国はロシア、ベラルーシ、ウクライナで起こることは壁の向こうの話であってよほどのことがない限り関与しようとはしてこなかった。
それはユーゴスラビア紛争終了のあと欧州の平和が続いてきた欧州のやり方であり、欧州人の知恵であったのだ。
そんな平和な欧州にオバマ、バイデン民主党政権はロシアのひざ元であるウクライナにちょっかいを出しで平和をみだしたのだ。
ペナン候補が言っているのは解決はロシアとアメリカでやってくれ、少なくともフランスは米露戦争であるウクライナ戦争には関与しないといっているのだ。
2022年4月17日