ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

国債が金と同じならば日本政府は無限に発行してもハイパーインフレーションは生じない。

 私のブログ「金の借用書」(2011年11月3日)を岸田首相に読ませたい。暇な方は見てほしい。私が作った借金だらけの国のおとぎ話だ。

 私は大学のゼミで金融論を取ったのだが、最初の6か月は貨幣と金融の歴史についてだった。

 金や金貨がどうして価値を持つのかについて数時間を要して講義がありゼミ生同士で議論がなされた。

 退屈な話なのかもしれないが、考えれば考えるほどどうして金に価値があるのか不思議に思えてくる。

 一般的に言われているのは以下の通りだ。

 金が価値があるのは「希少性」つまり世の中では珍しく簡単に手に入らない、「流動性」容易に持ち運びができて多くのものと交換できる、「普遍性」ほかの金属と違って錆びない、ダイアモンドのように燃えることがない、「美しい」多くの人が美しいと認める、「実物そのものに価値がある」紙幣や債券のように国や会社が保証した者ではなく実物そのものに価値があるから、と言うものだった。

 結局色々な理由はあるが結論は「金は万人が価値を認めるから」価値があるのだ。

 宇宙船で酸素があと1時間で無くなる状態を想像してみよう。宇宙飛行士にとって何としても欲しいのは酸素O²だ。地上の人には大事な金Auは何の意味も持たない。

 かように万人が認めれば価値があるし、認めなければ価値はなくなる。

 昔は日本の紙幣は価値のある金といつでも交換できる兌換紙幣だった。だが今は金と交換できない不換紙幣だ。日本銀行は金の所有とは全く関係なく紙幣を刷っている。

 それでも日本人の私たちはほぼ全員が日本の紙幣を価値あるものとして認めている。だから急激なインフレになると人々が思わない限り日本銀行はほぼ無限に紙幣を発行し続けることができる。実際に今黒田総裁はそんな金融政策をしている。

 同じように日本人の私たちはほぼ全員が日本政府の発行する国債を価値あるものと認めている。これも急激なインフレになったり金利が上昇しない限り日本政府はほぼ無限に国債を発行し続けることができる、そう私は思う。

 江戸幕府佐渡金山が枯れるまで金を掘りばらまいたように、日本銀行も日本政府も紙幣や国債を人々が価値があると信じる限りにおいて無尽蔵に刷って発行し続けることができるのだ。

 これは新しくアメリカで提唱されたMMT論の基礎的な考えなのだろう。

 私はがちがちの財務省のような財政均衡論ではないが、ある程度のバランスは必要かと長年思ってきた。しかし、学生時代に勉強した金の価値論を思い出してからMMT論が実は正しいのではないかと考え出している。

 防衛費増額は100%賛成だが、それによる増税は必要ない、すべて国債で賄えばいい。勉強苦手だった岸田首相や法律だけ勉強した財務省の役人にはわからないだろう。   

 防衛費増額はすべて国債でと言うのは正しいと考える。

2022年12月23日