固定金利借入は意外なリスクがあるので注意が必要だ。
欧米で金利が上昇している。一方で日本銀行黒田総裁は金利を当面上げないとしているものの日本円も金利上昇の局面となりつつある。5年ほど前のとんでもない安い貸出金利は今はないし、金利上昇局面であまり安い金利は出していないのではないかと思っている。
変動金利に比べて固定金利の方が高いものの将来変動金利のほうが固定金利を上回ることはあり得る。今後金利が上昇する局面において固定金利で借入をしたいと考えるのは当然のことだ。
だが固定金利には借入をするときに考えておかないといけないポイントがある。
一つは売却や資金の余裕があった時に繰上返済をすることになるが、その場合残りの金利すべて支払うというようなペナルティーがあるということだ。
5000万円借入金残高、借入期間残5年、固定金利3%だとすると5年間の金利はおよそ375万円になる。銀行との契約にもよるがたいていの場合その375万円を繰り上げ返済の時に支払わなくてはいけない。
二つ目に固定金利が切れるときに新たな固定金利または変動金利になるが、その時新たな金利で契約を結びなおすことになる。
新たな金利はその時の金利状況と借り手の信用力によることになる。すなわち金を借りたままの弱い立場で銀行と交渉することになるのだ。
4000万円を固定金利3%で5年間借りていて5年後に元本が2000万円残ったとする。その場合2000万円を5年後の金利状況と借り手の信用力で銀行と交渉することになる。銀行が足もとを見てくれば4%で契約しなおさなくてはならないことにもなる。
交渉をせずに新たな固定金利、変動金利の契約をしないのであれば銀行が公表しているような高い変動金利に自動的にうつることになってしまう。
また5年後契約をしなおす時に数万円の手数料も取られることになる。残金が100万円程度であれば少額の数万円の手数料でも納得できないものである。
将来の変動金利が過去に借り入れた固定金利を上回る可能性がある局面になってきたが、固定金利のデメリットも十分考えて変動、固定どちらにするかは決めるべきである。
2022年2月23日
投資はご自身の判断とリスクでお願いします。