楽天モバイルが基地局建設で300億円を不正に払わされていたことがニュースになっている。
今年1月6日の私のブログ「楽天モーバイル、三木谷さん、コスト計算をご自分でやりました?」で楽天モバイルの問題は基地局のコストにあるとした。
その上で三木谷社長は基地建設のコスト計算を自らやっておらず部下に丸投げしているのではないかとした。
このころ経済評論家たちは楽天がゼロ円キャンペーンを止めたので顧客が離れて行ったことを不振の原因としていた。その打開策に三木谷社長が顧客を取ってこいと社員に言っていて、この圧力はブラックではないかと批難していた。
そんな中で私はそもそも基地局建設のコストが無茶苦茶なのではないかと指摘した。三木谷氏が自分自身でコスト計算をやっていないとした。
不正をやっていたことまでは予想しなかったが、楽天モバイル不振の原因を基地局建設コストであるとしたのは当たりと言っていいと思っている(自画自賛)。
300億円の取引の内実損は100億円だから楽天の赤字の一部でしかないと言う反論があるだろう。
まともな企業は購買で不正が多いことを知っている。三者見積もりを義務化したり業者の接待を禁止したり徹底した監査を行っている。今回はどこにでもある稚拙な資材購入の誤魔化しだ。それを2年以上、しかも300億円の損害が出るまで気づかなかったバカ企業なのだ。
楽天モバイル購買すべてで不正があった、あるいは不当に高く買っていた、と見るべきだ。購買部門が原因の損害は300億円を遥かに超え単位が違うと私は推測している。
2023年3月8日
参考までに2022年1月6日のブログを以下添付する。
「楽天モーバイル、三木谷さん、コスト計算をご自分でやりました?」
楽天モーバイルが苦戦している。
楽天モーバイルの不振の原因は「三木谷氏が自らコスト計算をしなかった、あるいは初歩的な計算ミスを行った。」からだと私は推測している。
楽天モーバイルは当初ゼロ円プランで一気に顧客を増やそうとしていたが取りやめた。
そして立上時今年度黒字化と言っていたが起死回生がない限り無理になっている。今は何が何でも基地局を増やして全国を電波で網羅しないといけないのに、逆に今年度基地局開設を抑制してコスト削減をしている。
そんなニュースが出ていて多くのアナリストが楽天グループの分析をしている。だがどうして楽天モーバイルが苦境に陥っているのか原因については誰も語っていない。
楽天モーバイルは基地局一つのコスト計算を間違ったとしか思えない。
本来であれば基地局一つのコストを業者にブレークダウンさせてそれぞれのコストを議論して適切な価格まで精査しなくてはいけない。身近なもので言えば家を建てるときに材料費、人件費、利益、などそれぞれ詳細を市場価格と比較してやる方法と同じだ。
それはCEOとか会長と言われる人であっても徹底的に何度も自分でやらなくてはいけない。三木谷氏は勝負をかけるビジネスの一番大事な設備投資を部下任せにしていたのではないだろうか。
自動車業界や建設業界であれば業者の見積もりは積み上げになっていて、コストの議論をするし業者はけっこうぎりぎり利益の少ない見積もりを出してくる。もしかすると楽天は今までそういうコスト積み上げに慣れていない企業だったのだろう。
設備費用が計画と実績で乖離しているのはトップが「基地局のコスト半分になるだろう、業者を叩いて安くさせろ!」とだけ言って放っておいたのかもしれない。
私は他のアナリストと同様に楽天モーバイルは勝ち目のない大変な苦境に陥っていると見ている。
にもかかわらずある参議院議員にあることないこと暴露をされていると聞く。事実ならば、飲みに行く時間があればコスト計算しておくべきだったということになる。
古今東西2正面作戦で成功した偉人はあまり聞いたことがない、大変お気の毒に思う。
さてこのブログの趣旨には蛇足になるが、メイン銀行はみずほ銀行らしい。みずほ銀行への投資は止めておいた方がいい理由が一つ増えた。
2023年1月16日
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