投資をする時色々な点に注目したくなる、しかし長期投資には細かなことに振り回されずに二つの点だけに注目するべきだ。
一つ目は人口動態だ。
若年層が多く老人が少ない人口構成は人口ボーナスと呼ばれていて経済成長に有利に働く。
1960年代~1980年代の日本は団塊の世代を中心に労働人口が多く老齢人口は少なくて高度成長の大きな要因となった。
その後1990年代に入ると日本の人口は停滞し若年人口は減少し老齢人口が増えて所謂人口オーナスの状態となった。失われた30年と言われる日本の経済停滞の一つの大きな理由だったと言える。
中国では2010年代まで人口増加が続き労働人口も増えていた。豊富な労働力と旺盛な消費で中国はあっという間に貧困国家から世界第二位に経済大国にのし上がった。
昨年中国の人口は減少に転じ今急激な老齢化が始まろうとしている。最近数年の中国経済停滞は人口オーナスが原因と言われ、今後高度成長をすることはないと見られている。
今後世界で30年間人口ボーナスのある国は限られている。
まず21世紀中に世界の人口は100億人を超えるか超えないところで停滞しその後減少に転じると予想されている。
さらに政府予想より少子高齢化は早く急激なので世界人口減少は2100年よりも十分前に始まるだろう。
先進国ではアメリカを除いて人口減少が始まっている。
BRICSにおいてもロシアと中国は人口減少が始まっている。
残されたのはブラジル、南アフリカ、インドの3か国となる。ブラジルは2050年以前に人口は停滞し早ければ2040年代に減少し始める。
人口が2050年頃増加が期待できるのはインドと南アフリカのみだ。
インドでも所得が上がるにつれて少子化が進むはずだ。だがヒンズー教徒は避妊に抵抗があり少子化は他の国よりもゆっくり進むと見られている。
インドの人口が減少するのは22世紀となることはないだろうが、早くて2050年頃なるだろう。
インドはそれまでの30年間成長をつづけることになる。
2024年1月12日