ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

インドが長期投資に適切な二つの理由 その2

 長期投資で重要な二つ目は地政学的状況だ。

 国際政治で経済は決まっていく。

 第二次大戦後中国はソ連とともに共産主義アメリカに対抗していた。しかし1970年代アメリカや日本との国交の正常化を行い急速に西側経済に近づいた。

 これをきっかけに中国は高度成長が始まった。しかし2020年に近づき中国が覇権国家としての野望を見せた途端アメリカと対立した。中国はアメリカを始め西側諸国から経済制裁をかけられ経済が停滞することとなった。

 日本は第二次世界大戦日米安全保障条約を基本として日米関係は極めて密接なものとなった。朝鮮戦争アメリカに協力し戦後復興をなしえた。その後も基本的には良好な関係が続いた。

 しかし日本はバブル経済時その勢いで世界を制覇するのではないかとアメリカに恐れられた。1980年代後半アメリカは日本潰しを始め結果半導体などの日本の主力製品が競争力をなくしてしまった。

 ドイツも同様第二次世界大戦NATOの中で西側諸国と良好な関係を作り高度成長をした。1980年代後半から日米関係が緊張したのに比べてドイツはEUの中で良好な地位を得た。EUの皮を被って抬頭を上手くごまかしたのだ。そればかりかロシアとの関係を改善し安い天然ガスを手に入れ防衛費も削減することが出来た。その結果ドイツは日本よりも長く2020年まで成長が続いた。

 だがドイツは2022年のウクライナ戦争でロシアとの関係を切れ今不景気となった。この状況は数年は続くだろう。

 かように地政学的状況は大きく経済に影響し長期投資には重要なのだ。

 その点インドはパキスタンや中国との紛争はあるが今のところ大きな戦争に繋がる可能性は少ない。またアメリカとは同盟関係にはないが中立を通していて最近のインド外交は安定していると言っていい。中国のように世界制覇を狙うような覇権国家としての野望も今のところ見えない。

 地政学のポイントから長期投資を見ればインドは2010年代〇、2020年代〇、2030年代〇、と過去も将来も安定している。

2023年1月13日

投資はご自身の判断とリスクでお願いします。