ドラコの資産運用 織田俊夫

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コロナウイルス、スウェーデン方式かニュージーランド方式か

 先のブログ(5月1日)で日本は新型コロナウイルスの集団免疫得るべきであり、早く緊急事態宣言を止めて通常の経済活動を行うべきだとした。

 今の日本人の世論からすればとんでもないことを言っていることになるが、おそらくこれから1か月の間に世論は徐々に集団免疫方式を支持するに違いないと考えている。

 スウェーデンはこの集団免疫方式を採用した。一切経済活動の制限せずに国民が新型コロナウイルスに感染するに任せた。その結果日本よりも多くの感染者数、死者数になっているが、5月になってスウェーデン政府は5月中にはスウェーデン国民の免疫者が十分なレベルに達する見込みた立つと報告している。

 一方でニュージーランド、台湾などは早くから海外からの渡航者を禁止し感染が広がるのを水際で食い止めた。ニュージーランドも台湾も今飲食店は開いており経済活動は今まで通り行われている。それぞれの政府の迅速な決断は立派だとマスコミは持ち上げている。だが本当にこれでいいのだろうか。

 新型コロナウイルスが発生し日本への感染が危惧された今年1,2月ごろ、厚生労働省スウェーデン方式、つまり集団免疫方式を取ろうとしていたと思われる。

 春節(中国の旧正月)で大量に押し寄せる中国観光客を受け入れたのは単に安倍首相が中国政府に忖度したりインバウンド経済を優先しただけでなく厚生労働省が「最終的には国民全員が感染して免疫を持つしかない」と考えていたのだろう。厚生労働省はかつて新型インフルエンザで水際作戦に多大な労力を投入して結局感染が広まった苦い経験があるので1,2月頃水際作戦は最初から放棄しようとしていたのだと考える。

 だが感染コントロールが予想外に厄介であることや死亡率が高いことが分かり国民の不安と非難が高まり遅ればせながら水際作戦を始めたが、結局インフルエンザA型と同じく感染を食い止められなかった。

 感染が広まった今完全に撲滅するニュージーランド方式か、感染を広めて集団免疫を得るスウェーデン方式か決断する時期にきている。厚生労働省は本音はスウェーデン方式しかないと考えていて今後政府は世論を誘導するものと考える。

 ニュージーランド方式の場合一度撲滅させたとしても第二、第三の感染拡大を招くことになる。そのたびに経済活動を何度も中止しないといけないことになる。さらに世界にスウェーデンのような国がある限り日本が国境を開けば感染者が入ってくることになる。ニュージーランド方式を取った場合外国からの入国を禁止し続けて実質鎖国を続けるしかない。

 2021年7月東京オリンピックが開かれたとき、免疫とウイルスを持ったスウェーデン選手と観光客が東京に来る、免疫のない日本選手と日本国民は片っ端から新型コロナウイルスに感染することになる。かつてスペイン人が天然痘アステカ文明に持ち込んでアステカ人が感染しほとんど戦わずして滅びたのと同じ惨事だ。

 一方でスウェーデン方式は一気に多くの死者が出るデメリットがある。だが医療崩壊を起こさないのであれば、ある集団の構成員全員が免疫を得るまでに死ぬ人の数は理論上一緒になる。つまり感染防止策を何もしなくて全員が感染した場合も一生懸命感染防止策をとって結局全員が感染した場合も医療状態が同じなら死者数は同じだ。

 このスウェーデン方式である集団免疫の考えは5月中に日本国民に少しづつ共有されていく。

 もちろん大前提として医療崩壊を起こさないことが前提であり、健康弱者である人たちの犠牲者を最小限にすることは間違いなく正しいし最大限の努力が必要だ。

 来年の冬に今年感染が幸い穏やかだった新型インフルエンザの感染が広まるだろう、インフルエンザの流行と重なったら医療体制は大変なことになる。インフルエンザと新型コロナウイルスを同時に発症したら若者だって命は危ない。

 そんな状況を避けるには夏の間に日本国民は新型コロナウイルスに感染して免疫を得ておくべきだ。

2020年5月4日