歴史の中で貧乏人の政治は地獄をもたらしてきた。
政治は「金持ちの金持ちのための政治」「金持ちの貧乏のための政治」「貧乏人の政治」の三つに分けられる。
「金持ちの金持ちのための政治」というのは長い歴史の中でほとんどの政治形態がこのタイプであったと言っていいだろう。
例えば中世の貴族社会において貴族の人口は1%程度であったらしい。その1%が残りの99%から税金を搾り上げていた。
「金持ちの金持ちのための政治」は庶民にとって地獄であることには間違いない。
だが金持ちが金持ちだけのための政治をしていると、近代になると革命によって命を落とすこともある。また産業革命後は金持ちに富が集中することで庶民の生活が貧しくなって金持ちの商売が儲からなくなることがある。
金持ちが金持ちのことばかり考えていると、かように自分の首を絞めることになってしまうので貧乏人のことも考えないといけなくなる。
また金持ちの中には社会的責任を感じて庶民のために政治を行おうと余裕のある正義の人たちが出てくる。
こういう人が政治をするとけっこううまくいく。
金持ちはすでに金持ちでその人がこれ以上金は要らない社会のために仕事をしたいと思うのだからその判断は私利私欲でなく社会全体の幸福を考えたものになる。
貧乏人にとって最もありがたい政治となる。
さて貧乏人が政治をすると大変なことになる。
多くの人は貧乏人が政治力を持ったら貧乏人のための政治をするだろうと錯覚している。
歴史の中で貧乏人が成り上がり政権を取ったら、金持ちがやるよりもえげつないやり方で貧乏人を抑圧し搾取することになる。
典型的な例が共産主義だ。スターリンにしても毛沢東にしても政権を取った後むごたらしい強権政治を行い多くの人が不幸になった。
貧乏人が政治をやればいい政治になるという幻想は捨てるべきだ。
心優しい金持ちに正義感をもって政治を行わさせるのが現実的な方法なのだ。
2021年10月9日