昔むかし、ある国に大変金遣いの荒い王様がいました。
王様は自分の為にもお金をつかっていましたが、みんなのためにもお金を使っていました。ともかく王様は気前がよくお金を使いすぎでした。
国に貧しい人がいるのでパンを与えました、商人たちのための市場もつくりました、そして兵隊も雇って立派な軍隊も作りました。
宮殿も立派なものを建てました、妻や子どもたちにもあまり贅沢をしないようにと言い聞かせてはいましたが、それなりに贅沢をしていました。
その国の人達は王様がいろいろとしてくれるので、暫くの間王様は人気者でみんな幸せでした。
でも当然王様の金庫はいつも空でした。
お金がないので裕福な商人や農民たちから王様の名前で借用証書を出してお金を借りました。
その借金がどんどん積みあがってきました。
金庫番の家来は
「王様、これ以上借金したら国が滅びます、これ以上お金を使うこと、そして庶民からこれ以上お金を借りるようなことはやめてください!」と強くいいました。
お金を王様に貸し付けている商人や農民は不安になりました。
「王様は本当に金を返してくれるのか、僕たちは王様に騙されているのではないか、もう王様にお金を貸すのは止めよう!」
と言い出しました。
不安になったみんなが宮殿に集まることになりました。王様は困り果てました。
王様は悩んでなかなか眠れない日々が続きましたが。ある日枕元に神様が現れました。王様は神様にお願いをしました。
「神様、私は民が幸せになるのであれば命だって差し出します、商人や農民が困らないようにしてください。」
神様はニコリと笑って消えていきました。
次の日国中で不思議なことが起こりました。
商人や農民が持っていた借用証書が朝目覚めると、金、銀、銅の紙に変わっていたのです。
借用証書に書いてあった金、銀、銅と同じ値打ちの重さの金紙、銀紙、銅紙に借用書がなっているではありませんか。
商人も農民も大満足です。
実は本当は紙の借用書なのですが、神様が金紙、銀紙、銅紙にみえるように庶民に魔法をかけたのです。
その後この国の借用書は金紙、銀紙、銅紙にみえるのでみんな大丈夫と思いどんどん王様にお金を貸しました、
そして王様はどんどんお金をつかい、みんなは王様のことを信じて繁栄していったそうです。
2021年11月3日